Chapter.22 健康力アップのつぼはココ! 鍼灸師

鍼灸師

鍼灸師のシゴトって?

あなたの体は、元気になるチカラを持っている!鍼灸(しんきゅう)師とは、“はり”と“もぐさ”で体のツボを刺激し、健康力を引き出す東洋医学の専門家なのです。

人間には生まれながらにして「自然治癒力」が備わっています。皆さんにも、風邪を引いたら栄養をとって温かくして風邪を治したり、小さなケガが数日で治ったりと、薬や手術に頼らなくとも元気になった経験があると思います。鍼灸師とは、その自然治癒力を、人体のあらゆるツボを刺激することで引き出し、健康を維持したり、ケガや病気を治療する専門家のこと。「鍼灸師」は、鍼でツボを刺激する「はり師」と、“もぐさ”で患部やツボを温める「きゅう師」を合わせた呼び方で、それぞれ別の国家資格ですが、両方を取得し、併せて治療を行う人がほとんどです。鍼灸治療は中国から伝わる東洋医学。その伝統的な知識と技術をベースに、鍼灸師一人ひとりが手肌で覚えた経験や勘が「薬や手術で治らなかった」という患者を治すこともあり、やりがいの大きなシゴトです。

収入・待遇

勤務先により異なりますが、資格保持の新卒者の初任給は、道内で20万円なら多いほうと言えます。首都圏では数万円アップも見込めますが、いずれにせよ、資格取得後の数年間は収入より経験を得る期間と考えたほうがよいでしょう。独立開業すれば高収入も目指せます。

勤務時間

鍼灸治療院やスポーツクラブの場合は、日勤8時間、週休2日または4週6休制が中心。平日は午前と夕方以降、週末はフルで忙しく、サービス業と変わりません。病院や福祉施設でのチーム医療、スポーツ選手のサポートに関わる場合は、不規則になることもあります。

鍼灸師になるには

鍼灸師になるまでの流れ

こんなにある!鍼灸師の現場

Scene.1 鍼灸治療院

鍼灸治療を専門に行う医院に就職。患者は近隣の勤め人や住民が中心。長いスパンで治療することも多く、一人ひとりに親身な治療や生活指導ができるコミュニケーション能力も必要。独立開業を目指す人の修業先としても最適。

Scene.2 病院・福祉施設

整形外科やリハビリテーション科で、作業療法士らと共に患者の運動機能改善に取り組む。また、内科疾患に鍼灸治療を取り入れる病院で、医師とチームを組んで治療を行ったり、福祉施設で高齢者の病気予防に関わる人も。特定の疾患に関する専門知識や、チームワークが大切。

Scene.3 美容業界

新陳代謝の促進、食欲のコントロールなど、ダイエットや美肌を目的とした鍼灸は、女性に人気が高い。美容メニューを取り入れる治療院、またはエステサロンなどで活躍する鍼灸師も。

Scene.4 スポーツトレーナー

スポーツ選手の体調管理やケガの治療を行う。特定のスポーツの専門知識、運動療法や栄養学など多方面のスキルを備えるプロが多い。スポーツクラブに勤務、フリーでチームと契約するなど、雇用形態はさまざま。実績や選手との信頼関係により、国際大会で活躍する人も。

Scene.5 独立開業・その他

腕を磨いて自分の医院を持つ。経営能力や、スタッフを雇うなら指導力も必須。ちなみに鍼灸専門学校の教員になるには、資格取得後、さらに養成学校への2年間の通学が必要。

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就職&将来性

  • 鍼灸師を目指す人の年代はバラバラ。ある専門学校では、新入生の半数が高卒者、残り半数は20〜60代で、看護師や柔道整復師など医療業界で働く人、他業種からの転職希望者も。資格取得には専門学校での修学が必須。歴史ある学校は業界とのパイプも太く、就職のサポート体制も整っているので、学校選びも大切だ。
  • 鍼灸治療は、本場・中国ではあらゆる内科疾患、不妊、小児医療などに用いられている。「副作用がない」「受けていて心地良い」「予防に最適」など患者側の利点も多く、日本でも西洋医学と協同で多角的な治療を施す医療機関が増えている。また、ベテランになるほど患部の状態が「指先で分かる」ようになるとも言われ、一生かけて自分を磨き、人の役に立てるシゴトだ。

どんな人が向いてる?

  • 「解剖学」「病理学」などの基礎医学に加え、鍼灸の技術をマスターするには、理系のセンスや手先の器用さも大切。感覚はその上に成り立つもの。「超文系」という人にはハードかも…。
  • 「薬で治らない」「痛いのに検査で異常が見つからない」と鍼灸治療を受けに訪れる患者も。その気持ちが分かる優しさ、原因を多角的に考えられる鍼灸師に信頼が集まる。
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知っててトクする? 豆知識

人体とは「1つの袋」!?

東洋医学における人体とは、皮膚という皮で包んだ1つの「袋」のイメージ。臓器はその中で関わりながらバランスを保つという考えのもとに、鍼灸治療がある。だから、痔のツボが離れた頭にあったりするのも決して不思議ではないのだ。

米大統領もびっくり!

鍼治療が世界に広がったのは、1972年、当時のニクソン米大統領が訪中した際、同行したニューヨークタイムズの記者が現地で鍼麻酔を見て、その効果に驚き同誌で紹介したため。欧米で研究が進むキッカケになったという。

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アルキタ・オシゴト辞典