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バイトがあって今がある teto Vo.&G. 小池 貞利さん

2020年1月20日 公開

言葉にすると簡単だけど
「諦めないこと」ってやっぱり大事なんだと思います。

teto Vo.&G. 小池 貞利さん
2016年の結成以来、各地でSOLD OUT公演続出の人気を誇る「teto(テト)」。2019年10月にセカンドアルバムをリリースし、ますます波に乗るtetoのリーダー、小池貞利さんにこれまでの歩みを聞いた。

今も忘れられない
初バイト先での一言

柔らかなまなざしで、どんな質問にも丁寧に言葉を選び、組み立てながら答えてくれる小池さん。音楽を始めたきっかけはどんなものだったのだろう。
「高校時代、友達と遊びでバンドをやったのが最初ですね。当時はボーカルとベースを担当。音楽に興味を持ったのは、音楽好きだった姉の影響もあります」
初めてアルバイトをしたのも高校時代で、バイト先に選んだのはファストフード店。高校に入って時間ができ「自由に使えるお金が欲しい」と思ったのが動機だそう。
「年上の人と話す、という経験そのものが新鮮でした。それまであまり年上の人と接する機会がなかったもので。バイト先では、自分のしたことが『店の評判』になってしまうでしょう。そんな感覚を体感したのは初めてのことで、その点にはある種、怖さのようなものも感じました」
そんな返答から伝わってくるのは、小池さんの責任感の強い性格に他ならない。稼いだお金は、主にCDや漫画、小説などに使ったという。ところがある時、バイト先の先輩が小池さんに思いがけない言葉をかけてきた…。
「叱られたとかそういう感じではなく、雑談のなかの軽い一言だったんですが『小池くんは、時間があるからとか、欲しいものがあるからとか、そんな理由で働いていると思うけど、私は生きるために働いているんだよ』って。今思うと当時の僕は真剣には働けていなくて、それを察しての一言だったんでしょうね。社会で働く人と自分との差を感じ、自分は未熟だったなと痛感します。申し訳ないことをしたと今も思い出すんです」

諦めきれなかった
音楽への夢

高校時代の小池さんにとって音楽は〝趣味〟。「音楽を仕事にするなんて夢」と考え、卒業後はまったく別分野の専門学校に進学して、午前中は仕事、午後は学校という生活を送ったそうだ。
「それでもやっぱり音楽への夢は諦めきれてなかったんですね。音楽とはまったく違う道を歩いていた頃、バイト先の人から『もっと小池くんがキラキラできることが見つかるといいね』と言われたこともありました。心のなかで何かくすぶっていたものを見透かされたのかもしれません。尊敬するアーティストのライブに行ったり、友人と話をするうちに、もう一度頑張ってみようと思って…」という経緯が、2016年のteto結成へとつながっていく。

どんな場面でも誰かが
支えてくれている!

そんな小池さんにとって、アルバイトが持つ意味とは?
「例えばハンバーガーの調理でも接客でも、『人と出会う』ということの持つ意味は大きいと思います。自分の考えが『普通』なのではなく、世の中には様々な考え方、価値観を持つ人がいて、仕事が持つ重み、趣味が持つ重み、そして音楽が持つ重みも人によってまったく違う。人と出会い、話さなければ本当には分かってこないことですよね。この感覚は音楽のなかにも活かしていきたいと思っています」
なるほど…。小池さんの描く、ストレートに心の奥に入り込んでくるような胸を打つ楽曲の世界観は、こういった体験に裏打ちされているのかもしれない。
ところで、他のバンドメンバーとアルバイトについての話をすることは?
「ありますよ。ビジネスホテルでベッドメイキングや清掃をしたメンバーや、コンビニ店員をしていたメンバーもいます」
メンバー同士の会話を通じ、ツアーなどで普段何気なく使うビジネスホテルでも、気持ち良く使うためにはその裏に様々な人が関わっていることに気づかされたと小池さんは話す。また、普段は寝ているような時間でも、コンビニに行けばそこにはちゃんと働いてくれている人がいることに「人の暮らし、生き方って一つじゃないんだって気づかせてくれます。僕ら、自由に音楽をやらせてもらっていますけど、その裏で準備をしたり支えてくれる人がいることは忘れちゃいけないなって、改めて思いますよね」。

回り道をしたからこそ
「今の僕」になれた

では、最後に小池さんから読者へのメッセージを…。
「僕は高校を出た時、音楽への夢を諦めて進学や就職をしたけど、結局は諦めきれなかった。でも、もし高校卒業時にあのまま音楽の道へと進んでいたら『今の僕』にはならなかったと思うんです。回り道をしたけど、これで良かった。矛盾しているように聞こえるかもしれないけど、あの時、一度は諦め、でも諦め切れなかったからこそ、今の自分にたどり着けた。言葉にするのは簡単だけど、諦めないことってやっぱり大事なんだと思います」
そして「やりたいことが見つからない、という人も心配しないで」と小池さんは言葉を続ける。
「あの人がこう言うからこうしなきゃとか、人生を今すぐ変えようとか無理に意気込まなくても、そのままでいい。変えなきゃいけないタイミングが訪れたらその時に変えるのが一番。必要以上に気張らずに自然に生きてみよう、自分のことを一番よく知っているのは自分なのだから…」とインタビューを締めくくった。

小池貞利さんの思い出バイト

ファストフード店
高校に入り、時間を持て余して始めたような感じでしたが、外の世界に飛び出し、人と出会うことの大切さを教えてもらいました。先輩にかけられた〝一言〟は今も忘れられない!

プロフィール

teto
2016年1月、ボーカル&ギターの小池貞利を中心に山崎陸(G.)、佐藤健一郎(B.)らと結成。同年12月、福田裕介がドラマーとして正式加入し現編成となる。2017年8月には1stミニアルバム「dystopia」を発売し8月度のタワレコメンに選出。2018年に開催した初のワンマンツアーは全公演のチケットが即日完売となる。2019年10月23日に15曲を収録した2ndアルバム「超現実至上主義宣言」を発売し、あわせて47都道府県を周るteto 47都道府県ツアー「日ノ出行脚」を開催中。
オフィシャルサイト:http://te-to.net/

インフォメーション

●最新リリース情報
「超現実至上主義宣言」

■UKCD-1182/UK.PROJECT 2,600円(税別)
1stアルバム「手」から約1年ぶりとなる2ndアルバム「超現実至上主義宣言」。前作同様に15曲を収録し、パンク、四つ打ち、ネオアコなど目くるめくように多彩な曲調を取り入れる。ずば抜けて高いテンション、オルタナティブなギターロックでリスナーの感情に訴えかけるtetoらしさが詰まった1枚だ。

バイトがあって今がある

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バイト先の人たちがMVに出演してくれたほど、良い出会いばかりだった。