レバンガ北海道・折茂武彦引退試合スペシャル企画【折茂武彦インタビュー＆サイン入りグッズプレゼント】

コロナ禍で2年延期した引退試合がようやく開催されます。
現役を退いて2年経ち、体力的な不安は多少ありますが、皆さんが集まってくれるからには恥ずかしくないプレーをするつもりです。豪華メンバーが集まってくれて引退試合ができるというのも、日本のバスケットボール界では今まで無かったこと。これがバスケ界を盛り上げるきっかけになり、次につながる事例になればという気持ちもあります。自分はこれまでバスケットボールに対して「勝つ」ことだけを考え、「楽しむ」という気持ちは持っていませんでした。ですがこの引退試合だけは純粋に楽しむ気持ちで臨みたいと思っています。

23年にわたりコートに立ち続けました。長く現役を続けられた理由は？
選手として特別なものを持っていなかったということが大きな理由。自分は身長も高くないし、特に足が速いわけでもありません。だから、どうすれば他の選手に勝てるかを常に考えながらプレーしてきました。例えば、同じスタートラインから駆け出したら負けてしまいますが、あらかじめ相手よりも前に出ていれば自分が勝てる。直接ぶつかったら負けてしまいますが、仲間をうまく利用すればフリーでシュートを打てる。もともと自分に“あるもの”で戦うのではなく、“ないもの”をどうやって補うかを頭で考えるスタイルが、長く続けられた理由だと思っています。

バスケ人生で一番つらかったこと、良かったことを挙げるとすれば？
つらかったことは、たくさんありすぎて一番は決められません（苦笑）。たくさんの負けも経験したし、バスケ人生のほとんどが後悔と言ってもいいくらい。よく、引退会見で「後悔はない」という人がいますが、自分は「あの時、ああすれば良かった…」「もっと違うプレーができたのに…」と、数えあげればきりがありません。
良かったことは北海道に来たこと。それまで自分は「ブレちゃいけない」「変わっちゃいけない」と思っていたし、変わることを恐れていました。それが北海道に来てたくさんの人に必要としていただき、そのために変わることを学ばせてもらったというか。人生において、そういうきっかけを与えてもらったことに感謝しています。

バスケットボール界に限らず、これからを担う若い世代に伝えたいことはなんでしょう？
失敗や挫折をネガティブに捉えすぎないでほしいと思っています。新しいことに挑戦するためにはそういうことは避けて通れないし、むしろ経験しなくては成長できない。もちろんつらいこともあると思います。でも、ただただ無難に過ごすのは面白くない。良いなら良い、悪いなら悪い。せっかくならどっちかに振り切るほうがいいというのが自分の考え。人生は一度きりだからこそ、つまらない時間を過ごすのはもったいないと思います。チャレンジの大切さを知ってほしいですね。

「専任」で社長になって2 年。これからのレバンガをどのように率いていきますか？
所属チームが消滅するという経験をしたこともあり、これまではチームを存続させること、B1に残すことを第一に考えてきました。しかしこれからは、長く応援し続けてくれたファンの思いに応えるためにも、「勝ち」にこだわる方向に本気でシフトしていかなければなりません。日本一になるといえば、周囲はざわつくかもしれません。最下位争いをしていたチームが何を言っているんだと。ですが、目指さなければ絶対にたどり着けないし、皆がそういうメンタルを持つことが大切。選手、スタッフ一丸となって本気で日本一を目指すことにコミットしていきます。

これからの夢は？
バスケットボールを日本でメジャースポーツにしていくことが夢であり目標です。レバンガで日本一になることも、そのための手段のひとつでしかありません。子どもたちがプロ野球選手やJリーガーにあこがれるように、バスケ選手にあこがれ、街のいたるところにバスケを楽しむ人がいる…。そんな世の中になるようにできる限りのことを尽くしていきたいと思っています。

北海道のファンへメッセージを。
引退したシーズンから2年。選手として最後の試合を、北海道の皆さんの前で見せられなかったことがずっと心残りになっていました。こうした形で引退試合ができるのをうれしく思っています。北海道の皆さん、当日は一緒に楽しみましょう。