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バイトがあって今がある グランジ 遠山 大輔さん

2015年10月5日 公開

バイトは
自分が進みたい未来を、
支えてくれるものだと思う。

グランジ 遠山 大輔さん
今年で結成10年を迎えた、吉本興業の実力派お笑いトリオ「グランジ」。ボケ担当で、TOKYO FMのラジオ番組『スクール・オブ・ロック!』の“とーやま校長”としても人気の遠山大輔さんに、今につながるアルバイト経験を聞いた。

勇気が出ずに
平岸から大通まで散歩!?

遠山大輔さんの地元は札幌の平岸エリア。あいさつを終えると物腰柔らかいトーンで「アルキタは高校時代に読んでましたよ。でも、ごめんなさい。買う時もあれば、立ち読みでバイトを探すことも…(笑)」とさっそく笑いを提供してくれた。ところで高校時代にバイトを始めようと思った理由は?
「当時、僕はバンドを組んでいて、欲しいギターが6万円くらいしたんです。で、高3の夏ごろ、バイトで稼いで手に入れようかな〜と」
大の音楽好きとしても知られる遠山さんらしいエピソード。どんなバイトだったのか尋ねようとしたところ、話の続きには“オチ”があった。
「実は社会に飛び込むのが怖くて、尻込んじゃって。目星を付けたバイト先に電話しようと自宅の受話器をとり…そのまま石化(笑)。気持ちを切り替えようと近くの公衆電話に行っても勇気が出ず。それから次の公衆電話、また次の公衆電話へと歩いているうちに大通まで来ちゃった(笑)」
結局、初バイトは高校3年生の1月まで持ち越されることになる。きっかけは吉本興業のお笑いコンビ千原兄弟によるライブを観たこと。遠山さんはもともと学校祭でコントを披露するほどお笑いが好きだったが、生で見るプロの斬新な笑いのとり方や音楽の使い方に衝撃を受け、芸人の道に進もうと心に誓った。目指すはNSC東京(吉本興業の芸人養成所)。その資金を稼ぐには、今度こそバイトを始めるしかなかったのだ。

東京の働き口につながった、
「芸人になりたい」宣言

遠山さんが選んだバイト先は、すすきのの居酒屋。洗い場を任されたものの、右も左も分からないことばかりで、新人時代は毎日のように怒鳴られていたと苦笑いする。
「正直、 何で知らないオジさんに怒られなきゃいけないんだろうって思いましたよ(笑)。でも、東京でお笑いをやるって決めたのにバイトで叱られたくらいで投げ出しちゃ前に進めませんよね。だから勇気を振り絞って周りの人に積極的に話しかけ、芸人になりたいんだって夢も語りました」
努力の甲斐あって仕事にも慣れ、バイト仲間からの信頼も厚くなってきた遠山さん。いよいよ東京行きが迫ってきた3月に、願ってもいない話が舞い込んだ。
「ある日、店長から東京の働き口は決まってるのかと聞かれたんです。いいえと答えたら、おもむろにどこかに電話をかけ、受話器を置くと“東京の五反田支店が洗い場を用意してくれるってさ”と。本当にありがたかったですね。ただ…五反田支店は住むところから通うのに40分もかかったんだけど(笑)」
平成11年、ついに遠山さんの東京生活がスタート。選択したNSC東京の授業は昼間の90分。
居酒屋のバイトは午後5時から深夜まで。時間に余裕を持てそうなスケジュールかと思いきや、朝まで寝ずにネタを考える日も数多くあり、徹夜状態の日々が続いた。遠山さん自身ですらよく体が持っていたものだと振り返る。

お客様との会話が、
トークの温度感を読む力に

NSC東京の卒業後、遠山さんはバイトとお笑いの仕事の二足のワラジを履いた。が、芸人としてのオファーは月に1度あるかないか。
「生きるためにもバイトは週6。そのころには職場でのポジションも確立されてたし、けっこう稼いでました(笑)。だけど、24歳のころ、テレビ番組のオーディションが入ったのにバイトがあるからムリだと断ったことがあって。今考えると本末転倒ですよね。お前はバイトをするために東京にいるのか!と芸人仲間にも怒られて、ハッと目が覚めたというか…」
それから、少しずつお笑いの仕事も増え、1年後にはバイトに出勤出来ないほどスケジュールが埋まった。札幌の店舗から合計すると7年間。まさに下積み時代を支えてくれた居酒屋から巣立つ時が来た。
「社会のマナーや人と話す時の振る舞いを学んだのもバイト。特にお客様と臨機応変に会話を交わした経験は大きいですよ。例えばラジオ番組でリスナーさんの第一声の語気をつかんで、どんなトーンで切り返すのが良いのかなど、トークの温度感を読む時に役立ってます」
初めはバイトデビューにもためらっていた遠山さん。ズバリ、やって良かったと思う?
「もちろん。高校3年生の時にすすきのの居酒屋でバイトを始めなかったら、そして芸人になるって夢を語らなかったら、東京の支店を紹介してもらうこともなく、もしかすると今とは別の道を歩んでいたかもしれない。東京でものすごく稼げるバイトを見つけて夢を捨てたかもしれない…それは冗談だけど(笑)。バイトは稼いだお金で欲しいモノが手に入るって物理的なメリットもあるけど、自分の進みたい未来を隣で支えてくれるものでもあると思うんです。僕にとって、まさに“バイトがあって今がある”。うまいこと言いすぎ?(笑)」

★遠山 大輔さんの思い出バイト★

居酒屋
コワモテのオジさんからクレームが入った時、イチかばちか笑かしてやるって勢いで対応したら…「お前オモシロいな」と常連さんになってくれました(笑)。
看板持ち
お笑いの稼ぎだけではカツカツだった時もあったので、たまに日雇いのバイトをしました。駅前で8時間も立ちっ放しだったのは辛かった〜。

<プロフィール>
遠山 大輔 (グランジ)

遠山大輔(ボケ担当)、五明拓弥(ボケ担当)、大(ツッコミ担当)からなるお笑いトリオ。ルミネtheよしもとで単独ライブを開けば瞬く間にチケットが完売。2008年より「キングオブコント」で5年連続準決勝進出。2011年には漫才師日本一決定戦「THE MANZAI 2011」において認定漫才師50組に選出。

<インフォメーション>

●番組オンエア情報
STV 札幌テレビ「アオタガイ学園」
放送時間/毎週金曜25:32〜
出演者/遠山大輔(グランジ)、ミッツ・マングローブ、鈴井貴之、小橋亜樹、北川久仁子、ナレーター:大下宗吾
●オフィシャルサイト
http://www.stv.ne.jp/tv/aotagai/index.html

バイトがあって今がある

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バイト先の人たちがMVに出演してくれたほど、良い出会いばかりだった。