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バイトがあって今がある ポップオペラヴォーカリスト 藤澤 ノリマサさん

2016年2月29日 公開

怒られるのってどんなに良いことか。
社会に出た今だから思えます。

ポップオペラヴォーカリスト 藤澤 ノリマサさん
撮影協力/サッポロ珈琲館 時計台ガーデンテラス(札幌市中央区北1条西2丁目時計台横)
ポップスとオペラの歌唱法を一曲の中で融合させる「ポップオペラ」。この唯一無二のジャンルを切り開いたのが藤澤ノリマサさん。音楽一筋だった人生と、貴重なアルバイト経験を直撃した。

高校時代の海外研修が、
ポップオペラのヒントに

藤澤ノリマサさんの出身は札幌市。声楽家の父と歌の講師の母を持ち、小さなころから音楽に包まれるように育った。歌に興味を抱くようになったのは、ごく自然な流れだったという。
「歌手としての原体験は、小学校3年生の時に出場したお祭りのカラオケ大会。母が勝手に応募してたみたいで(笑)。僕は人見知りで引っ込み思案だったから、人前で歌うなんて不安で恥ずかしかったなぁ。でも、いざやってみると、お客さんの笑顔と拍手に包まれて。
歌を通じて幸せな気持ちを届けるのって、なんて素敵なんだろうと感じました」
歌う喜びを知って以来、藤澤さんはいくつものカラオケ大会に出場。好成績を収めるとともに、いつかは上京してヴォーカリストになりたいという夢が芽生え始めた。
ポップス調の爽やかな声から一転、重厚で伸びやかなオペラの歌唱が響き渡る“ポップオペラ”。藤澤さんが編み出した独自のジャンルは、高校時代の海外研修がヒントになって生まれた。
「両親の影響もあって、僕が好んで聴いていたのは歌謡曲とクラシック。実は洋楽のポップスってあまり耳にしたことがなかったんです。でも、研修先のカナダで、セリーヌ・ディオンとテノール歌手がデュエットしている曲と出合って、直感的にシビれたというか。こんな風にポップスとオペラの声を一人で使い分けられたらカッコイイだろうなって、漠然と思い描きました」
ポップスは自身の持つ声に磨きをかけることで実力が増す。しかし、オペラの歌唱方法は根本から異なっているため、藤澤さんは東京にある音大の声楽科に進学。初めてバイトを経験したのも大学時代だったと懐かしそうに微笑んだ。

ミュージックバーで、
ジャズ風の『北酒場』!?

藤澤さんは大学でクラシックの声楽を熱心に学ぶ一方、ライブハウスでポップスも披露した。「バンドメンバーよりお客さんが少ない時もあったけど」と当時の状況に苦笑いするが、もっとステージに立ちたい、もっと歌いたい、そんな思いは募っていった。そんな時に探し当てたバイトが、ミュージックバーのピアノの弾き語りだった。
「エルトン・ジョンとか、サイモン&ガーファンクルとか定番のポップスを店内BGMとして歌ってましたね。時にはお客さんのリクエストに応えることもありました」
バイト先のミュージックバーは、基本的に日本語の曲はNG。ところが、お酒の入ったお客様から、こんな困った要望を受けたことも。
「細川たかしさんの名曲『北酒場』がどうしても聴きたいって…。でも、原曲のままだとバーというより居酒屋。だから、“もしも北酒場をジャズ風にやったらどうなるか、聴いてみてください”と言って、無理やりジャズ風にアレンジして乗り切りました(笑)」
多種多彩な曲を歌ったことでポップスの下地が出来上がり、歌唱力の幅も広がった。お店には音楽に携わっているスタッフも多く、同僚のダンサーがライブで踊ってくれるなど、音楽を軸とした交流の楽しさも味わったのだ。

社会の厳しさに初めて触れた、
コンビニのバイト経験

大学在学時から合わせると、100社以上のレコード会社や、事務所のオーディションを受けた藤澤さん。ポップオペラのスタイルが見出され、所属先が決まるまではコンビニのバイトで苦しい時期をしのいだ。ところが、そのエピソードは「僕、本当にダメだったから」と甘いマスクに似つかわしくない意外な言葉から始まった。
「ずっと音楽一筋でやって来たので、世間知らずというか、社会の厳しさに触れてこなかったというか。ガーッと急かされると、頭が真っ白になるタイプだったんです。宅配便の取り次ぎなんていつまで経っても覚えられなくて、荷物を持ったお客様が来たら冷蔵庫に逃げちゃったり(笑)」とはいえ親切に教えてくれた先輩の支えもあり、レジ打ちやホットスナックの提供を通して常連さんとの会話がスムーズになり、相手の気持ちを察して動く力も養われた。初対面の人と数多く接した経験はライブのMCなど、ファンの皆さんとのコミュニケーションづくりに確実に生きている、藤澤さんはそう語気を強めた。
「時には肉まんとあんまんを間違えて渡して、怒られたことも。だけど、叱られるのはどんなに良いことかって今だから思います。社会に出て時間が経つと、怒ってくれる人の数がどんどん減って自分の視野が狭くなっちゃうものなんですよね。バイトで色んな人と接して怒られて、自分の見聞を広めていく。僕が学生時代にあまり出来なかったことだからこそ、若い人には経験してほしいですね」
最後に、藤澤さんは故郷の札幌の空を見上げ、ポツリとつぶやいた。「僕もまだまだ頑張らないと。北海道からポップオペラの可能性を発信してるんだって気持ちで世界を目指したい。あ、この目標は怒られたって変わりませんよ(笑)」

★藤澤 ノリマサさんの思い出バイト★

ミュージックバーの弾き語り
よくリクエストされた曲は、エルトン・ジョンの『Your Song(ユアソング)』ですね。若い人は知らないかな(笑)?
コンビニ
バイト先は若者のマチ下北沢。バンドマンや若手のお笑い芸人さんもよく来店されていましたね。
年賀状の仕分け
友だちに誘われて始めた短期バイトです。ただ、年賀状の仕分けは集中力が必要で…すぐ辞めちゃいました(笑)。

<プロフィール>
藤澤 ノリマサ

1983年生まれ、札幌出身。2008年にシングル『ダッタン人の踊り』でメジャーデビュー。ポップスとオペラの歌唱法を融合させた“ポップオペラ”のスタイルで人気を博す。その後も精力的にライブや楽曲リリースを続け、2015年12月に最新シングル『愛の挨拶〜夜空に星を散りばめて〜』『Brand New Day』をリリース。

<インフォメーション>

●最新リリース情報
「愛の挨拶〜夜空に星を散りばめて〜」
「Brand New Day」

●CD 初回限定盤A/WPCL-12286/3,900円(税抜)
●CD+DVD 初回限定盤B/WPZL-31133/3,900円(税抜)
●CD 通常盤/WPCL-12287/1,200円(税抜)

バイトがあって今がある

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