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バイトがあって今がある Nothing's Carved In Stone 村松拓さん

2024年8月12日 公開

経験から芽生える感情は、人生を豊かに彩ってくれる。だから、行動したほうがいい。

骨太のロックバンドを貫きながらも、多種多彩なサウンドを貪欲に取り込み続け、常に先鋭的な音楽を届けるNothing's Carved In Stone。今回はボーカル・ギターの村松拓さんに、アルバイト経験を中心とするこれまでの歩みを伺った。

つまみ食いを我慢するのが大変!?

村松拓さんにインタビューしたのは6月某日。札幌でのライブを翌日に控えていることから、瞳の奥には静かな炎が揺れているように映る。「札幌ってバンド文化が根付いているからか、オーディエンスは目と耳が肥えているイメージ。良いライブはメチャクチャ盛り上がるけれど、ひと度ヘマをすると一気に冷めちゃうみたいな。まぁ、俺は普段通り、ナメんなよって意気込みで臨みますけどね」といたずらっぽく笑った。
彼が初めてギターを手にしたのは小学生のころ。母の友人が古くなったアコースティックギターを譲ってくれ、試しに弾き始めたという。当然ながら音楽自体は好きだったが、当時は「聴く」と「演る」の距離が遠く、のめり込むまでには至らなかった。高校に進学してからも軽音楽部に入部したが、「それこそバイトをしていたんで、部室にはそんなに行かなかった」と振り返る。初めてのバイト先はフライドチキンのチェーン店だった。
「高校には電車で通っていたから、通学で利用する駅にあるのが便利だったんですよ。俺はクッカーと呼ばれる調理担当。チェーン店だから高校生にも分かりやすいマニュアルも整っていてさほど難しくなかったし、仲間たちとワイワイと働ける環境だったし、2年くらい続けました。楽しかった思い出しかないけど、強いて大変だったことを挙げるとするなら…うまそうなフライドチキンのつまみ食いを我慢すること(笑)。小遣いをそんなにもらってなかったので、バイト代は主に遊びに使っていたかな」
実は、村松さんの少年時代は音楽よりも野球やサッカーに打ち込む時間のほうが多かったとか。高校卒業後は、スポーツトレーナーの道へ進むべく、スポーツ医療関連の専門学校に進学した。

バイトは人間模様が垣間見えるのも魅力

村松さんが専門学校時代に経験したバイトは個人経営の喫茶店。小さな店舗だったため、接客や会計、コーヒーを淹れるなどカフェ業務全般を担っていたそうだ。
「オーナーがけっこう気難しい人で。もともと口数が少ない上、野球の巨人戦が始まるとラジオにのめり込んで一言も発してくれなくなっちゃう(笑)。でも、仕事へのこだわりが強くて、職人っぽいのも嫌いじゃなかったな。まかせられる範囲が広かったので、店を切り盛りすることの一部を学べたし、オーナーのこだわりに沿いながらおいしいコーヒーを淹れる技術を磨くのも自分にとっては面白かったですね」
個人経営のためマニュアルはなく、村松さんは忙しい時間帯に向けて業務の割り振りを自分で考えながら準備を進めた。大変そうに思えるが、「自分で計画を立てるトレーニングになったと思う」とポジティブにとらえる。
「この喫茶店も含めて、バイト先で人間模様が垣間見えるのも好きだったんです。毎日のように一人で来店するおじいちゃんの背景を想像したり、年の差カップルの事情を勝手に考えてみたり」
村松さんは専門学校卒業後、整形外科に就職した。この間も音楽活動やライブは少なからず行っており、バンド仲間を経由して「お前をボーカルに据えたバンドがやりたい」という誘いがあった。そうして結成されたのが、Nothing's Carved In Stoneの始動前から村松さんがボーカルを務めているABSTRACT MASH(アブストラクトマッシュ)だ。
「メンバーは夢に向かって本気でやっているヤツら。俺も本気で音楽に向き合わないと付いて行くことができないだろうと直感するほどの熱量を感じたので、自分の最大限の力をバンドに捧げたいと整形外科は退職しました」

人生観につながったマッサージのバイト

バンドに本気のギアを入れて以降、村松さんは27歳ごろまで日々の大半を音楽活動とバイトに費やした。新聞配達や日雇いの肉体労働などを経験し、中でも週末だけ働いていたマッサージ店が印象深かったと振り返る。
「店舗にはカイロプラクティックの先生もいて、週末だけの出勤だとしてもキチンと勉強するようにと伝えられました。しかも、お客さんの中にはマッサージがヘタだと店長のところに行って、『バカにしてるの!?』と怒って帰っちゃう人も。コレは来てくれる人のことを本気で考えて、喜んでもらえるようにならないと…と感じました。音楽もマッサージも先人の培ったベースはあれど、そこから先は自分次第。技術を磨いて答えを見つけ出すという俺の人生観につながったバイトです」
村松さんのバイト経験を聞いていると、プレッシャーや困難をネガティブにとらえることなく、期待に応えるために課題をどうクリアするのか楽しんでいるように感じる。バンド活動のみならず、バイトでも「最大限」できることを模索するスタンスのようだ。
「バイトって、多くの場合は求められることがシンプル。マニュアルがあって、自分が担当するのはココとココというように守備範囲が分かりやすいと思います。そのルーチンに楽しみを感じるタイプか、それとも工夫のポイントを見つけて提案するのが好みかは一人ひとり異なるはず。こればっかりは、やってみないと分からないですよね」
ここ最近、ネット文化が成熟し、さまざまな知識や見聞をスマホ上で学べるようになっている。村松さんはそのスタンスも否定しないが、「行動すること」にも意味があると考えるようになったと表情を引き締める。
「例えば、バイトを始めるという行動を起こすと、自分の中で必ず経験値が増える。その中には、思ったよりうまくいかなかった後悔とか、人に笑顔になってもらった喜びとか、感情が伴うもの。それが人生の彩りとなり、自分を少しずつ変えていくきっかけになる。だから、『やってみる』って大事なんですよね」

村松拓さんの思い出バイト

フライドチキンチェーン
高校1年生のころに始めたバイト。和気あいあいと働ける職場で、長く続ける人が多かったですね。
喫茶店
お店にはジェラート店も併設されていて、友だちが来てくれた時には気持ち盛りを良くしてあげてました(笑)。
新聞配達
十数棟のマンモス団地にも新聞を配っていました。ライブや歌における体力の基礎を養ってくれたバイトです。

プロフィール

Nothing's Carved In Stone
2008年、生形真一(G)が在籍するELLEGARDENの活動休止を機に、日向秀和(Ba/ストレイテナー他)に声を掛けたのが結成のきっかけ。日向の紹介で大喜多崇規(Dr/FULLARMOR)が加入しボーカル不在のまま活動開始。その後、村松拓(Vo/G/ABSTRACT MASH)が加入。2009年に1st Album『PARALLEL LIVES』をリリースし、その後毎年コンスタントにフルアルバムを発表&各地ツアーを敢行。2024年5月15日にEP『BRIGHTNESS』をリリースし、全国15カ所を回る“BRIGHTNESS TOUR”を開催。
オフィシャルサイト:https://www.ncis.jp/

インフォメーション

●最新リリース情報
New EP「BRIGHTNESS」

■初回限定盤[CD+DVD]WPZL-32124/5 3,960円(税込)
■通常版[CD]WPCL-13557 2,200円(税込)

●ライブ情報
「Perfect Sounds
〜For Rare Tracks Lovers〜」

10/11(金)GORILLA HALL OSAKA
11/15(金)Zepp DiverCity(TOKYO)
開場/18:00開演/19:00
【チケット(税込)】スタンディング5,300円/学割3,800円
※東京公演のみ2F指定席あり
※小学生以上チケット必要
■お問い合わせ
◎大阪公演…キョードーインフォメーション
0570-200-888
https://kyodo-osaka.co.jp
◎東京公演…DISK GARAGE
https://info.diskgarage.com/
https://www.diskgarage.com/

バイトがあって今がある

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