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バイトがあって今がある LOST IN TIME Vo.&B. 海北 大輔さん

2018年1月8日 公開

接客のバイトをやるまで、知らない人と会話すると、アワワ…だったなぁ(笑)。

LOST IN TIME Vo.&B. 海北 大輔さん
取材協力/ノーザンキッチン〜オールデイダイニング〜(札幌市中央区南2条西5丁目26-5 ラ・ジェント・ステイ札幌大通2F)
デビューから15周年を迎えたロックバンド「LOST IN TIME(ロストインタイム)」。
ボーカルとベースを担当し、時にピアノも弾くフロントマンの海北大輔さんが、アルバイトの思い出を振り返った。

音楽活動に理解のある、元バンドマンの店長

海北大輔さんは岩手県出身の埼玉県育ち。3歳のころからピアノを習い、音楽が暮らしの一部に溶け込むような生活を送ってきた。初めてバンドを組んだのは中学時代で、彼がミュージシャンを目指したきっかけは、中学1年生の時に聞いたラジオ番組だったと振り返る。
「当時は自分の部屋にテレビがなく、ラジオばかり聴いてました。僕はアーティストの奥野敦士さんが大好きで、ある日パーソナリティーを務める番組にハガキを送ってみたんです。一つ間違えたら黒歴史なんだけど、ミュージシャンになりたいって(笑)。それを奥野さんが読んでくれて、励ましの言葉まで下さったんです。だから音楽を仕事にしようと思えたんですよね」
実は今年、奥野さんと念願の出会いを果たしたのだと教えてくれた海北さん。ラジオ番組を聴いてミュージシャンを目指したことを包み隠さず話し、「あなたのおかげで自分はここにいます」と感謝の気持ちを直に伝えられたのだと満足げな表情を浮かべる。
海北さんは高校に進学すると、初めてのバイトにチャレンジ。地元の小さな町のドラッグストアで働き始めた。買い物客はご年配が多く、重い荷物をよく車に運んであげていたという。海北さんの優しい人柄がうかがえるエピソードだ。
「そのドラッグストアの店長さんがパンクロックが大好きな方で。僕のバンド活動にも理解があって、ライブがある日はたとえ忙しい週末でもシフトを休みにしてくれたんです。上京するタイミングでは餞別として革ジャンまで贈ってくれて。今はもうお店自体がなくなってしまったけど、元気でいてくれたら良いなぁ…」
当時のバイト代の使い道は言わずもがな音楽活動。とはいえ、多くはライブハウスのノルマ代に消えてしまったと苦笑する。

右から流れてくる容器をひたすら左に!?

海北さんは高校卒業後、東京の音楽系専門学校に進学。とはいえ、自身でも「あまりマジメな学生じゃなかった」と前置きするように、授業よりもライブを優先する日々。もちろん、音楽活動の資金稼ぎにバイトは欠かせない存在だった。
「自分のアパートからほど近いコンビニの深夜バイトがメインでした。時々、高い楽器が欲しくなったり、遠方にライブに行ったりする時は登録制の派遣バイトで働くようにしていたかな。コンビニでは朝方に新聞を持って来るオジさんが僕と同じ阪神タイガースファンだと分かってね。それからはお互いの距離が急接近(笑)。野球の話題で盛り上がったなぁ」
当時は、某モンスター育成ゲームが大流行中。海北さんは当時のソフトで全キャラクターをコンプリートしていたそう。小学生が関連のカードを買いにコンビニに来るとゲームの会話を交わすようになり、最終的には教えを乞われたという笑い話も飛び出した。人なつこい笑顔を見ていると、子どもに好かれるのもうなずける。
「派遣のバイト先で印象深かったのはヨーグルト工場。ベルトコンベアの一部をメンテナンスする間に、僕がその代わりを務めるんです。どういうことかというと、左のラインから流れてくるプラスチックの容器を、ひたすら右のラインに移すという作業(笑)。1日14〜15時間を3日連続でやった時はさすがに参っちゃった。僕にはルーチンな仕事が向いてないんだなって感じたね」
他にも交通量調査をはじめ、さまざまな派遣先のバイトを経験。時にコンビニの夜勤が明けてから、さらに派遣の現場へ繰り出すというハードな日も過ごしたという。

接客バイトのおかげで、物販はドンと来い!

海北さんは専門学校を卒業し、2001年に「LOST IN TIME」を結成。バンド活動が忙しくなるにつれ、バイトのシフトに入れないというジレンマを抱えるようになった。
「で、ある時から音楽でデビューしたいなら、夢に向かって突き進むしかないシチュエーションを作ってしまえと、バイトをすべて辞めちゃいました。極端すぎますよね(笑)。コンビニの店長も先輩方も優しくて本当に居心地が良かったから、このままじゃ甘えてしまうなって思ったんです」
当然ながら海北さんの生活は立ち行かなくなった。電気や水道、ガスといったライフラインは止められてしまい、家賃を払うことすらままならない状況。一体どうやって暮らしていたのだろうか。
「自分の覚悟が手を差し伸べてくれる人や巡り合わせを呼んだのか、ほどなくして所属事務所が決まったんです。社長からは、缶詰工場の知り合いからおすそ分けをもらったとダンボールいっぱいのサバ缶をプレゼントされました。それで何とか食いつなげた感じ(笑)」
海北さんの言葉を借りるなら、バイトは「覚悟を決めるまでの休息地」だった。けれど、ライブで物販に立つ際には接客の仕事経験が確実に役立ったと笑う。コンビニのバイト仲間は今でもライブを見に来てくれるのだとも。
「実は、もともと人とのコミュニケーションが下手くそで、知らない人と会話するとアワワワ…みたいなタイプだったんです(笑)。え?そう見えない?イヤイヤ、洋服を買いに行っても緊張して汗をかくくらいヒドイものでね。でも、バイトでは得意不得意にかかわらずお客さんに対応しなきゃいけないじゃないですか。“いらっしゃいませ”とか“ありがとうございました”とかマニュアルの言葉を発するだけでも、徐々に人と上手く話せるようになったと思うな。接客のバイトを経験してなかったら、今でも初対面はアワワワ…だったかも(笑)」

★海北大輔さんの思い出バイト★

ドラッグストア
お店は地元の農村部にあったから、お客さんはご年配がほとんど。荷物を車に運んだりするうちにすっかりアイドル扱い(笑)。
コンビニ
野球の話題をきっかけに、早朝に新聞を配達してくれるオジさんと仲良くなりました。
ヨーグルト工場
ベルトコンベアから流れてくるプラスチックの容器を、ひたすら隣のラインに移すという作業。めちゃくちゃつらかった…。

<プロフィール>
LOST IN TIME

2001年、海北大輔(Vo.&B.)と大岡源一郎(Dr.)を中心にバンドを結成。2002年6月に初のアルバム「冬空と君の手」を発表し、デビュー。同年9月に榎本聖貴(G.)が正式加入。その後「きのうのこと」「時計」といったアルバムをリリースし着実に評価を高めていく。2006年7月に榎本がバンド脱退を表明。その後も海北・大岡の2人でバンドを継続し、CDのリリースやライブを重ねる。現在はギタリストに三井律郎(THE YOUTH)を迎えた3人編成で活動を行っている。
公式サイト

<インフォメーション>

●最新リリース情報
「すべてのおくりもの」
■UKDZ-0171 2,700円(税込)
2016年ライブ会場限定シングルとして好評を博した「ライラック」「太陽のカフス」を含む、通算10枚目となるフル・アルバムが完成!

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バイト先の人たちがMVに出演してくれたほど、良い出会いばかりだった。