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バイトがあって今がある がらりさん

2026年4月13日 公開

自分を観察して、「向いている」を見るにはバイトがちょうどいい。

楽曲ごとに作風を“がらり”と変えることが、アーティストネームの由来となっているがらりさん。実体や素顔はベールに包まれているものの、若い世代からの人気を確実なものにしている彼に、音楽の歩みやアルバイト経験をインタビューした。

小学生ながら、音楽を分析的に鑑賞

帽子を深めに被り、サングラスを掛けたいでたちで取材場所に現れたがらりさん。表情が読めない分、緊張感が走ったが、「実は北海道に来るのは人生初。あまり時間がなかったんですが、赤れんが庁舎や時計台などの主要観光地をチラ見してきました」と物腰の柔らかいトーンの雑談から切り出してくれたことで、場は一気に和やかになった。
がらりさんが音楽に初めて触れたのは3歳のころ。ピアノを習い始めたのが原体験だった。その後、高校では軽音楽部でギターを弾き、大学時代にはジャズギター・ジャズピアノと音楽の幅を広げていったと振り返る。
「僕は、大学卒業後に一度はシステムエンジニアとして就職しました。ただ、アーティストにはずっとあこがれを抱いていました。僕がJ‐POPを好きになったきっかけはYUIさんの『Tomorrow's way』を聴いたことです」
いわゆる「夢を追う」のテーマを軸に、メロディーラインや歌詞、アレンジのすべてが明確に設計されているということに気付いたと言う。当時は小学生だったと言うが、音楽を分析的にとらえていたことに驚かされる。
「小さなころから楽曲の展開を予想しながら音楽を聴いていたんです。例えば、サビだけ突然文脈から外れたカタカナ語が使われたり、必然性をあまり感じない半音の転調だったりに違和感を抱きながら、『自分だったらこう作る』と考えていました」
そんながらりさんをうならせたのが椎名林檎さん。「初めて『歌舞伎町の女王』を聴いた時、すべてが完璧なメロディーにもかかわらず、コード進行がユニークなところもあって。それでも普遍性を失わないスタンダードナンバーのパワフルさがあるところにあこがれました」
音楽を理系的に分解する視点も印象的だ。

生徒の中にある答えに寄り添った塾のバイト

がらりさんが初めてバイトに取り組んだのは大学時代。自身が高校生のころに通っていた塾で授業前後の準備や教材の用意、生徒の質問に答えるチューターと言われる役割を担ったと言う。
「きっかけは、お金を稼ぎたいというより、社会勉強みたいな感覚。高校生の時に、塾で働く大学生の講師を見ていたのも大きかったですね」
話の中で印象的だったのは、生徒からの相談の受け止め方。志望校に対する不安や勉強が続かない焦りなど、マニュアル対応のない悩みに対し、がらりさんは「答えを与える」よりも「答えを引き出す」ほうに寄っていた。
「相談に対して、僕はまずどんな気持ちなのかを聞くことから始めていました。例えば、志望校があるならギリギリまでチャレンジしてみたほうが良いんじゃないかと話すことが多かったです。今から振り返ると、大抵の悩み事って、話している時点でその子の中に答えはあるんですよね。だから、その人の中にある答えに寄り添う形でいようとしていたと思います」
大学進学後に経験したのは営業系のコールセンター。ポイントが貯まっている人に電話し、特定の商品への交換を提案する仕事だった。
「ポイントが貯まってること自体、知らなかったですって言われたり。交渉力が試される場所でしたね」
職場には芸人の卵が多く、休憩中はにぎやか。一方で、全員の成績がリアルタイムで可視化されていたので、「和気あいあいとしつつも、絶妙に殺伐とした独特の雰囲気でした」と当時を懐かしんでいた。

ある程度の逆算からオリジナル楽曲を投稿

がらりさんがTikTokでオリジナル楽曲の発信を始めたのはコロナ禍の真っ只中。システムエンジニアとして動いていたころだった。
「正直、エンジニアとしてのキャリアに疑問を持ち始めてきた時期とも重なっていました。研究開発のような業務もあり、成果が目に見えづらいのも一つの理由だったと思います」
達成感や感動が薄れていく…そんな「不足感」が積み重なり、自分はこの場所に向いているのだろうかという問いが大きくなっていったと語る。
「そんな時、TikTokで音楽を発信しているアーティストたちを目にしました。正直、最初は気晴らし半分、何か良いことがあるかもしれないくらいの感じで投稿を始めたんです」
とはいえ、勝算がなかったわけではない。がらりさんは、TikTokの表現を耳にするうちに、自分の音楽的な感覚は世の中に通じるかもしれないと思えるようになってきたとか。更に音楽関係者から「見つけてもらう」ための空気の作り方も、ある程度逆算していたと言う。
「こんなに分かりやすい音楽をやっている人がいますよ、という気持ちで発信していたら、ありがたいことにいろいろなところからお声掛けをいただけました」
バイト経験が今の創作に与えた影響を尋ねると、こんな答えが返ってきた。「曲を組み立てる技術的な部分というより、精神性や態度みたいな部分は、バイトで培ったものが生きているかもしれない」
バイトで、相手の気持ちを想像しながら人とかかわり続けた経験が、受け取り手を意識した音楽づくりの姿勢につながっているのだと言う。最後に、夢がまだぼんやりしている人へのメッセージを求めると、静かにこう語ってくれた。
「今の自分がどう感じているかを観察することが大事だと思うんです。つらいとか楽しいと感じる瞬間を素直に受け止めてみる。人と話している時が心地よいのか、一人で何かをひらめいた時が気持ち良かったのか。そんな自分の特徴を見るには、バイトをしてみるのってちょうどいいと思います」

がらりさんの思い出バイト

塾のチューター
無事に志望校に合格し、塾を旅立っていく生徒たちから感謝の手紙をもらったのがうれしかったですね。
コールセンター
なぜか芸人の卵が多く働いていました。バイト後に「これから劇場で出番」と、帰っていく人もいました。

プロフィール

がらり
大阪出身のシンガーソングライター。システムエンジニアから転向し、2022年に音楽活動を開始。楽曲ごとに“がらり”と変わる作風が特徴で、作詞作曲に加え、ジャケットアートワークやミュージックビデオの制作など作品に関するほぼすべてのクリエイティブを自ら手掛ける。TikTokに投稿された「さよならは真夜中に」がリリース前に大きな反響を呼び、約150万回再生を突破。Web CMや、ドラマ主題歌など多数のタイアップソングを制作。2026年1月、2ndアルバム「コントラスト」を発表。
オフィシャルサイト:https://lit.link/galali

インフォメーション

●リリース情報
2nd ALBUM
「コントラスト」

14曲それぞれに明暗の異なる世界観を持たせ、14通りの人生を詰め込んだ一枚。1曲目から14曲目への旅を経て、人間が抱える矛盾や、悲しいこともうれしいことも、すべてを受け入れていく準備ができるような作品です。
https://galali.lnk.to/contrast

バイトがあって今がある

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