困っているあなたが安心して相談できる「マチ弁」でありたい【江別法律事務所／西脇さん】

平成21年に江別初の法律事務所として開業した江別法律事務所の西脇崇晃（にしわき たかあき）弁護士。離婚や借金、相続問題に空き家問題、労働問題や交通事故などさまざまなトラブルの解決をする時に力になってもらえますが、できればあまりお世話にならずトラブルは避けたいと伝えると「トラブルになってからでは解決が難しくなる場合もあります。これって問題なのかな？とモヤモヤしている段階で相談してもらえるとトラブルを事前に防ぐことができる予防法務という考え方もあるんですよ」と教えてくれました。法的手段を取らなくても相談のみで悩みが解決する場合も多いそうです。インタビューの間もずっと、誠実にお話ししてくれる西脇さん。言いずらい本音や悩みも安心して打ち明けることができると感じました。

江別市篠津の農家に生まれた西脇さんは、運動が苦手で勉強を一生懸命に頑張ったと言います。札幌の高校に進学し国際関係学を学びたいと筑波大学に進学します。卒業のころはバブル崩壊後で会社に属するよりも自分の力で生きていこうと考え、法学部ではなかったため通信教育を利用して司法試験合格を目指しました。26歳で合格し地元で働きたいと思い、札幌で就職。多くの法律事務所が札幌中心部にある中で勤務先は岩見沢支店となり、札幌と岩見沢を往復する間に江別に弁護士が一人もいない弁護士の偏在問題に気が付き、地元貢献ができればという思いから開業しました。

小・中学校の9年間は1学年1クラスという環境だったため、江別に知り合いが少ないと思った西脇さんは、29歳の時に江別青年会議所に入会します。ボランティアやまちづくり活動の中で、まるごと江別やえべつスイーツフェスタなどのイベントが思い出深く「スイーツが好きなので協力店のスイーツを実際に食べ歩き、おいしかったですが太った」と笑います。コロナ禍でイベントができずにいましたが、青年会議所単体ではなく、市民、行政、事業者や団体ともっと連携して新しい取り組みにもチャレンジしてみたら、江別全体のためにいいと思うと言います。ご自身も江別で活動する士業の皆さんと一緒にイベントをしてみたいのだそうです。

コロナ禍では電話相談を開設しました。ところが結局「会って話したい」となるのだそうです。弁護士業界も合理化やIT化を求められ、専門化しマニュアル中心の対応を進めているところもありますが、西脇さんは「人間関係を持った上で寄り添う町医者的存在でありたい」と言います。特定分野だけでなく、身近なトラブルに対応できるよう法律家としても日々精進し、相談して良かったと思われる存在でいたいのだそうです。トラブルの話しばかりでストレスがたまりませんか？と聞くと、「解決されるとうれしいです」とニッコリ。誰もが平和で安心して暮らせるようにと願うからこそ、このお仕事をされているのだなと思いました。

文・取材：三ツ井瑞江／写真：岩崎晃和