「野外空間演劇ドドド supported by アルキタ」開催レポート

2023年9月11日公開

「野外空間演劇ドドド supported by アルキタ」が8月26日（土）札幌市南区のキャンプ場、紅櫻アウトドアガーデン（紅櫻公園内）で開催されました。

「ドドド」は2022年、札幌を拠点に活動する役者たちによって始まった屋外イベント。「あいだ -between-」をコンセプトに、都市と自然の間の空間・紅櫻アウトドアガーデンで演劇やアート、音楽に親しみ「夢と現実の間にあるいい時間」を楽しもうという企画です。

森の木々の合間に月が浮かび始めた18時半、同イベントのメインステージである野外劇「情熱のシャングリラ」が開幕。このイベントに合わせ脚本を練ったという、音楽と火をめぐる、ちょっと不思議な物語のあらすじは以下。

音楽になるために旅をする銀河鉄道の音楽隊の2人は道中で、理想郷だと噂される「テラスの国」を訪れる。しかし豊かだったはずの国はある時、九尾の狐によって襲われ、暗く、寒く、寂しい世界へと様変わりしていた。様変わりしたこの国では音楽を奏でることもできないと危惧した音楽隊は、音楽を取り戻す為、テラスの国の姫や人々のために九尾に立ち向かう。

見どころは焚き火を使った舞台装置や、照明の影を用いた仕掛け、来場客をも巻き込むサプライズといった、野外というロケーションを生かした演出の数々。さらに桐原直幸さん（二度寝で死にたいズ／劇団fireworks）をはじめ、普段はそれぞれ異なる劇団で活躍する役者5人が歌や楽器の演奏、舞踊、激しいアクションも披露し、観客は時に大きな声で笑い、時に真剣な表情で物語の行く末を見守りました。

閉幕後は劇にも登場した焚き火を中心に役者たちや観客が集い、楽器を片手に「上を向いて歩こう」を合唱。劇伴音楽を担当したミュージシャンによるライブも披露されるなど、観客たちは音楽とアートがつくりだす空間で、思い思いの時間を過ごしました。

今回の脚本・演出を手掛けた米沢春花さん（劇団fireworks）は、「暗い野外が舞台のため、照明や舞台装置、稽古にひと苦労。でも目に見えない部分は想像力でおぎない、外ならではの演出、自分のやりたかった演出を存分に実現できたと思います」とコメント。「将来はこの会場からあふれるぐらい、多くの人が見に来る企画になるといいなと思っています」と笑顔を見せてくれました。

イベントの企画やキャスティング、さらに主演も務めた桐原直幸さん（二度寝で死にたいズ／劇団fireworks）は「野外で心置きなく大きな声を出せる珍しい機会。歌ありアクションありの演技には苦労しましたが、ひたすらに気持ちよかったですね」と清々しい表情。「演劇は札幌ではまだまだ馴染みがない。こうした新しい試みを継続的に続けて、演劇文化の火を灯していきたい」と今後への意気込みを語りました。

アルキタではイベントフライヤーの提供やチケットプレゼント企画などを通して、札幌のみなさんにこのイベントを知っていただけるサポートをしています。札幌の新たな演劇文化の動向に今後もぜひ注目してくださいね。

「真夏のシャングリラ」

脚本演出：米沢春花（劇団fireworks）
出演：桐原直幸（二度寝で死にたいズ）、徳山まり奈（ヒュー妄）、縣梨恵（トランク機械シアター）、恩田直（グループ俺達）、猪股五郎（演劇集団-遊罠坊-）、後藤カツキ［人形操演］（トランク機械シアター）
総合プロデュース・総合演出：桐原直幸

「野外空間演劇ドドド supported by アルキタ」

企画・運営：米沢春花、鎌塚慎平、後藤カツキ
スタッフ：内田翔太（パゥピーポォズ）、大坂友里絵、越智香奈江、神田花緒、佐藤優将（劇団米騒動）、田中舞奈（パゥピーポォズ）、山木眞綾、山下愛生、山本雄飛（劇団・木製ボイジャー14号）
協力：上田龍成（ウェイビジョン）、むらかみなお、StreamersDOG、にじゅうまるカフェ、紅櫻アウトドアガーデン
協賛：アルキタ　主催：二度寝で死にたいズ

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