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バイトがあって今がある 歌手 クリス・ハートさん

2016年6月27日 公開

日本で学んだ“リスペクト”は、
歌手になった今でも大切な心構えです。

歌手 クリス・ハートさん
奇跡の歌声と称される歌唱力はもちろん、つつましやかで愛らしい人柄も愛されている歌手のクリス・ハートさん。アメリカでのアルバイト体験や多彩な職業遍歴の目的とは…?

日本人の優しさに感動し、
“逆ホームシック”に!?

クリス・ハートさんはアメリカのサンフランシスコ出身。12歳のころに中学校の日本語科目を受講し、日本文化に興味を覚えた。元ジャズ・ベーシストの父とサルサ歌手だった母の影響もあって音楽への感度はとりわけ高く、日本人向けのケーブルテレビで放送されていたJ-POPの歌番組に釘付けになるまでに時間はかからなかった。
「いつしかすっかり日本への思いがふくらんでいて、翌年には茨城県土浦市にホームステイしました。受け入れ先の家族が日本語のままならない僕に一生懸命英語で話し掛けてくれたり、いろんなお店に連れて行ってくれたり。自分のことを差しおいてまで周囲をハッピーにしようという、これまでに感じたことのない優しさが胸に染み渡りました。アメリカに戻ってからは、日本に帰りたい…って“逆ホームシック”にかかっちゃいました(笑)」
以来、クリスさんはいつか日本に“住む”ことを前提に日々を暮らすようになった。プライベートでは日本人とロックバンドを組んでボーカルを担当。音楽活動にも精を出しながら、16歳のころに初めてのアルバイト(パートタイム)を経験した。
「サンフランシスコはIT企業が密集するシリコンバレーの近く。当時はインターネットブームに火が付き始めていましたし、学校の授業でパソコンスキルも身に付けていたので、ウェブデザインの会社でバイトを始めました。狙いとしては日本で暮らすことになっても、ウェブサイト制作の技術があれば仕事に就けるのではないかと思ったんです」
16歳ながら大人顔負けの先を見据えたバイト選び。日本に住むという青写真が、いかに本気だったのかがうかがえる。

夢を原動力に、
ダブルワークと音楽活動を

その後、クリスさんは“日本語を使える仕事”に的を絞り、さまざまな職場を経験した。日本人の買い物客が多いスーパーや電器店、日本の化粧品会社のコールセンター、さらに警察の日本語担当トラブル受付などなど。日本語スキルを磨けると同時に、日本のビザを取得しやすい仕事にチャレンジしたという。
「パートタイムもフルタイムも職業遍歴はいろいろだけど、最も印象深かったのは国際空港でプライベートジェットのメンテナンスをする仕事。燃料を入れたり、オイルをさしたりするだけでなく、着陸地点の誘導やゲストのご案内、あとはトイレのタンクにホースをつないで中身を処理するとか(苦笑)。もう何から何まで担当しましたね。日本のセレブと会話を交わす機会もあって、貴重な経験も積めたかな」
当時、クリスさんは朝にフルーツデリバリーの仕事を4〜5時間こなし、すぐに国際空港に向かって深夜1時まで働いていたのだとか。ハードなダブルワークに取り組んでいた上、バンドの練習やレコーディングといった音楽活動も続けていた。何がクリスさんを突き動かしていたのだろう。
「原動力は変わらず日本に住む…欲を言えば日本で歌手になるという夢。だけど、このころから仕事に対する向き合い方が変わったんですよね。ただ対価をもらうために働くのではなく、頑張るからには結果を残そうって。そうして仕事が上手くいくと体も心もそれほど疲れなくなったかな」

粘り強く努力を続けて、
歌手デビューの切符をゲット!

24歳の時、突如としてクリスさんに転機が訪れた。母を通して日本に進出する自動販売機の企業を紹介してもらい、東京で営業マンとして働けることになったのだ。
「だけど、最初のうちは外回りも自販機の設置も僕一人だけで担当していてね。営業や事務作業を済ませた夕方から北海道へ飛び、夜中に自販機を取り付けて翌朝に東京に帰るなんて日もザラでした。スゴいでしょう(笑)。もちろん音楽活動も並行していたから、サンフランシスコ時代と同じように、またもやハードな毎日でした」
仕事は目が回るほど忙しく、音楽をあきらめることも頭をよぎった。日本に住むという夢は叶ったが、歌手になりたいという次の夢には高い壁が立ちはだかった。けれど、簡単な道を選んでは決して良い結果を出せない。そう心を強く持ったクリスさんはボイストレーニングや動画サイトへの歌の投稿といった努力を続け、のど自慢のテレビ番組に出演したことが歌手デビューの道につながった。
「歌手になれた今でも、日本の営業マン時代に学んだ“リスペクト”を大切にしています。アメリカの職場はよく言えばフランクだけど、自分のことを優先しがち。でも、日本では相手の立場を考慮して、敬いの気持ちを持った上で行動しますよね。例えば音楽番組で先輩と競演する時に尊敬の心が伝わるだけで、場の空気が一変することもあります。アメリカではあまりお目にかかれないけれど、日本ならバイト先でだって学べる心構えなんじゃないかな」

★クリス・ハートさんの思い出バイト★

ウェブデザイン会社
僕にとって初めてのバイト(パートタイム)。自分で稼いだお金で友だちと一緒にランチを食べに行きました。
プライベートジェットのメンテナンス
バイトというよりはフルタイムの仕事だったんだけど、飛行機の細かい仕組みやデザインを見るのも楽しかったですね。
スーパーマーケット
フライドチキンを揚げ続ける持ち場を担当した時は、友だちに「お前の体、チキンの味がしそう」とからかわれました(笑)。

<プロフィール>
クリス・ハート

1984年生まれ。アメリカ・サンフランシスコ出身。中学生になると日本とJ-POPに興味を持ち始め、13歳の時に茨城県でホームステイ。2009年、25歳の時に日本移住を決意。2012年に日本テレビ系列の番組『のどじまん ザ!ワールド』で優勝し翌年に歌手デビュー。2年連続で紅白歌合戦への出場も果たし、TVCM、音楽番組などで活躍中。この6月に2ndオリジナルアルバム『Song for You II』をリリース。

<インフォメーション>

●最新リリース情報
「Song for You II」
■初回限定盤(CD+DVD)UMCK-9838/4,500円(税抜)
■通常盤(CD)UMCK-1540/3,000円(税抜)
●ライブ情報
「みんなのUHBライブ」
9/19(月・祝)ニトリ文化ホール
開場 16:30 開演 17:00
お問い合わせ/UHB事業開発部 TEL 011-214-5242

バイトがあって今がある

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バイト先の人たちがMVに出演してくれたほど、良い出会いばかりだった。