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バイトがあって今がある シンガーソングライター 高橋 優さん

2016年12月12日 公開

怒られたら食い下がれ。
良い意味で裏切って泡を吹かせてやれよ。

シンガーソングライター 高橋 優さん
撮影協力/札幌シネマフロンティア(札幌市中央区北5条西2丁目 JRタワー・ステラプレイス7階)
2015年「アルキタ」のイメージキャラクターを務めるなど、これまでも北海道の若者たちに熱いエールを送ってくれた高橋優さん。「明日はきっといい日になる」と多くの人を励ますメッセージを歌い続ける高橋さんに、これまでの道のりを聞いてみた。

アルバイトをしながら狸小路で歌った大学時代。

秋田県横手市の出身で、熱く故郷を愛することでも知られている高橋優さん。中学生の時にGLAYのコピーバンドで学園祭のステージに立ち、音楽の楽しさに目覚めたと話す。最初のアルバイトは高校2年生の時のファストフード店。「僕ね、ゴロって寝転がって、眠る直前まで映画を見たり音楽を聴いているのが憩いの時間なんです。自分用にポータブルのDVDプレーヤーがあればもっといろいろ夢が広がるなぁと思って」というのがアルバイトを始めた動機だそう。初バイトは「失敗したらどうしよう…」と緊張しながら出勤したというが、失敗談を尋ねると「その店、ポテトには塩山盛り3杯って決まってるんですけど、僕は濃い味が好きでこれじゃ足りないだろうと4杯入れたら『これ誰作った!?』『高橋!』ってなって怒られちゃいました。他にもいろいろと悪ガキはしてたかな(笑)」と、お茶目ともさすがオオモノとも思える返事が返ってきた。
高校卒業後の高橋さんは札幌近郊の大学に進学。「英語英米文学科に入りました。映画が大好きだったから、字幕なしで映画を見たり、ハリウッドスターが来日した時に通訳をする人になれたらなんて漠然と考えて」。そして、ノビノビと広い田んぼに囲まれた故郷では、息をするのと同じくらい自然に毎日大きな声で歌っていた高橋さんだったが、壁の薄いアパートではそれが出来ず、狸小路に立って歌うことをスタート。自分の作った歌を聴いてもらうことの難しさ、立ち止まってもらえることすらまれな悔しさを日々かみしめながら、ストリートミュージシャンとしての道を踏み出した。
同時に、大学近くのラーメン店、札幌駅の駅ビルのアパレルショップなどさまざまなアルバイトもこなし「アパレル店には1年ちょっと勤めましたが、お客様と話す時の視線や言葉づかい、声の大きさ、笑顔など、かなり厳しくみっちり指導されましたね。叱られたことも多かったですけれど。大人になるとなかなか叱ってもらえないでしょう。若いうちにうんと怒られておくのって、やっぱり必要な経験だったって今でも思っています」

マネージャーまで務めた映画館での貴重な2年。

大学4年生の時に『アルキタ』で映画館のバイトを見つけた高橋さんは即応募。大学卒業後も音楽活動を続けながら、2年間にわたりこの映画館で働き続けることとなる。アパレルでみっちり仕込まれた接客ノウハウと、目の前にいる人を放っておけない世話好きの性格で、いつの間にか「〝怒る人〟になっていた」と笑う高橋さん。少しでもだらしのない姿勢で立つ後輩を捕まえては「それ、お客さんが見たらどう思う?」と指導したり「映画がつまらなくても、映画館がステキならまた来たくなるよね。せっかく足を運んでくださったお客様に何か一つ喜んでもらおうよ」と熱く語ったり。信頼は厚く、最終的にはマネージャーまで任されたそうだ。
「歓送迎会があれば、周りが楽しむよりも、送迎される人がきっちり主役になっていなければ気が済まない、めんどくさいヤツでしたねぇ(笑)。でも、音楽で生きるようになってからも、この時の経験ってすごく大事にしているんです。音楽を作るのは、空の上で雲をつかむような作業じゃなくて、人間関係を土台にそこから編み上げていくもの。ライブでも、映画館での接客と同じように1対1でお客さんに向き合いたいと思っているので。せっかく時間を割いて会場に足を運んでいただいたからには、自分が出来る最高のパフォーマンスを見せたい。そこにかかわるスタッフも、あの時みんなで一緒に映画館を盛り上げようとしたスタッフたちと同じ『チーム』なんだって思っています」

正面から向き合い食らいついてこそ!

やがて、代打で急遽出演させてもらったライブで、音楽事務所のマネージャーの目に留まりスカウト。プロミュージシャンとして活動することが決まった。すぐにでも東京に飛んでいきたい気持ちを抑え、2カ月の猶予をもらって仕事の責任をすべて果たしたというエピソードにも、高橋さんの誠実さがにじみ出る。そんな高橋さんからアルキタ世代へのメッセージがこれだ。
「誤解を恐れずに言うけれど…。若いうちにうんと上の世代に楯突くと良いと思う。今の若い人は〝悟り世代〟って言われて、この大人は自分を理解しないと思ったらすぐに去ってしまうでしょう?そこで自分の居場所を作る前に。それじゃ浅い場所でしか人とかかわれない。怒られたら、良い意味で相手を裏切って、泡を吹かせるところまで食い下がってみようよ。『オレの何が悪い』って感情的になっても、そこを掘り下げれば何かが見つかるかもしれない。後々、うんと面白いことが待っているかもしれないよ」

★高橋 優さんの思い出バイト★

アパレルショップ
コワモテのお客さんから裾上げオーダーを受けた時に、物差しの「cm」「inch」を読み間違えて伝票を誤記入。ハーフパンツと化したズボンにお客さんは「なんじゃこりゃあ」と絶叫…。
ファストフード店
バイト代でDVDプレーヤーを購入。自分だけのプレーヤーで最初に見たのはラッセル・クロウ主演の「グラディエーター」。最悪の境遇から自分の力でのし上がる男の姿にシビレました。
ラーメン店
自分を上回るアツさの店主。湯切りの時に「高橋!腰が入ってねえ、それじゃラーメン屋になれねえぞ」と蹴飛ばされ「オレ、バイトだぞ。ならないよ!」と心で突っ込んで辞めました…。

<プロフィール>
高橋 優

1983年生まれ秋田県横手市出身。札幌近郊の大学への進学と同時に、狸小路の路上での弾き語りを始める。2010年シングル「素晴らしき日々」でメジャーデビュー。現在全国ツアーを敢行中で、札幌公演は2017年3月18・19日わくわくホリデーホールにて。
オフィシャルサイト takahashiyu.com

バイトがあって今がある

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