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2014年10月6日 公開

映画監督 三島 有紀子さん

ただ漫然と過ごさずに、人や、自分の感情を観察してみるのも大切。

映画監督 三島 有紀子さん
大泉洋を主演に空知地方でオールロケを行い、10月4日から北海道先行公開中の映画「ぶどうのなみだ」。監督・脚本を手掛けた三島有紀子監督は、大学時代からアルバイトで資金をためて自主映画を製作してきたという経歴の持ち主でもある。

パンを買う理由や受け取る相手が“見える”ことの面白さ

 前作「しあわせのパン」に続き、北海道を舞台にした映画「ぶどうのなみだ」を手掛けた三島有紀子監督。明るく穏やかな笑顔を絶やすことなく周囲に気を配り、清楚で女性らしい雰囲気が印象的だ。
 最初のアルバイトは大学時代、パン屋さんで。自主映画製作の費用を作るためのアルバイトだったそう。
「8mmフィルムでフィルムにも現像にもとてもお金が掛かるんです。アルバイトをしたのは近所のパン屋さんで、そこのパンが大好きだったこともあって、たまたま。アルバイトしたらもらえるかな、なんていう下心もちょっぴりありましたけれど(笑)。パンの焼ける香ばしい匂いに包まれて働けるのは幸せでしたよ。パン? ええ、もらえました。映画のスタッフはみんなお金がなかったから、持って行って配るととても喜ばれました」
 三島さんの担当は主に販売だったが、小麦粉と水という同じ材料から、味も形もさまざまなパンを作り出す職人さんの姿を目の当たりにして物づくりの素晴らしさに感動。この時の経験は、映画「しあわせのパン」でパンをこねる大泉洋の手元を丹念に撮り続けたシーンにもつながった、と三島さんは話す。また、店頭に立ちながら三島さんがひそかに楽しんでいたのが“人間観察”。「漫然とお店に立っていてもつまらないでしょう。パン屋さんって、時間によって買いに来るお客さんが結構違うんですよ。私が大好きだったのは、閉店間際の夜10時近くの時間帯。私が勤めていたパン屋さんはよそのお店より遅くまで開いていたから、その時間になると家族のために甘いパンやケーキを買いに来るお父さんたちが何人もいるんです。飲みに行った帰り、家族へのプレゼントなんですね。5歳の子どもへのお土産なんだけど、どれがいいと思う?なんて相談されたりするのも楽しくて」。パンを買うという行動のワケが見えて、その向こう側にいる相手が見えて…。この時の思いもまた、常に観客のことを想像しながら映画作りをしていく姿勢につながっているそうだ。

一番の蒼白体験は衣装をなくした助監督時代の大失敗

 その後、エレベーターガールや塾講師、模試の試験官、工場での荷物運びなどのアルバイトも経て、大学を卒業した三島さんはNHKに入局。「NHKスペシャル」など「人生で突然ふりかかる出来事から受ける、心の痛みと再生」をテーマに、監督として一貫して市井を生きる人々のドキュメンタリー作品を撮り続けた。
 在籍11年の後に独立してからは、東映京都撮影所などで助監督も経験。
「アルバイトとは違うんですが…。まあ、厳しい仕事でした。もちろん自分が未熟だったのですが元バブル女子大生にはつらいつらい(笑)。映画作りの“肝”になるポジションではあるんですが、アイデアは出せても自分がどうしたいかを出せる立場ではないし、頑張ったからといって必ずしも監督になれる保証がない。一番迷惑を掛けちゃいけないポジションだから撮影を妨げるようなことは絶対NG、くしゃみだってグッと我慢です(笑)。眠る時間もない忙しさだけでなく、くやしさもありました」と当時を振り返る。そして、この助監督時代、三島さんは「衣装をなくす」という大失敗をしたことがあるそうだ…。
「なくしたというか…。ハンガーからすり落ちた瞬間に、盗られてしまったんです。必死で追いかけたけれど間に合わなくて。土下座して謝りました。あの時の肝の冷え方に比べたら、大抵の失敗や苦労は“大したことない”って思えちゃうくらい(笑)でも監督になったらさらなるいろんなことが待ち受けてました(笑)」。

感情を大切に観察することを忘れず幅広いチャレンジを

 パンの話をすればパンの香りが、撮影所の話をすればその場の空気が伝わってくるかのように、情感豊かに話す三島さん。どんな場面でも自分の感情をよく観察しながら生活していくことが大切なのだと話してくれた。
「将来の夢が分からないという方もよくいますけれど“夢”をいきなり見つけるのって結構大変だと思うんです。でも、自分の中で好きとか嫌いという感情をよく観察して、嫌いを回避していったら自然に好きなものが見えてくるんじゃないでしょうか。感情って大切ですよ。私が大学時代に言われた言葉で『深く掘りたければ、広く掘り始めろ』というのがあるんです。映画が好きだったら、学生時代にはもっと違うこともたくさんしてみてほしい。興味があることにはどんどんチャレンジしていってほしいと思います。」

★三島 有紀子さんの思い出バイト TOP3★

パン屋さん
大学時代、主に販売のほかパンにクリームを塗る作業も担当。このころはただひたすら「授業→アルバイト→映画製作」を繰り返す日々でした。
塾講師
主に中学生に予習・復習を指導。それほど年齢差はないのに、進路や恋愛の相談を持ち掛けられ、初々しさに感激しながら一緒に悩みました。
エレベーターガール
お客さんが1人しかいなくても、階ごとにフルバージョンでフロア案内をする決まり。微妙な空気が流れて、照れてしまうことも…。

<プロフィール>
三島 有紀子

大阪府出身。18歳からインディーズ映画を撮り始め、大学卒業後はNHKに入局。独立後は、東映京都撮影所などで助監督を経験しながら脚本を書き続け、「刺青〜匂ひ月のごとく〜」(2009年)で映画監督デビュー。大泉洋主演・オール北海道ロケで話題になった「しあわせのパン」(2011年)に続き、オリジナル脚本で監督をつとめた「ぶどうのなみだ」が公開中。次回作は「繕い裁つ人」(2015年公開予定)。

<インフォメーション>

◎映画情報

「ぶどうのなみだ」
札幌シネマフロンティアほかにて北海道先行公開中
2014/10/11(土)全国ロードショー

(c)2014『ぶどうのなみだ』製作委員会
監督・脚本 / 三島有紀子『しあわせのパン』
出演 / 大泉洋 安藤裕子 染谷将太 ほか
製作 / 『ぶどうのなみだ』製作委員会
配給 / アスミック・エース

北海道・空知。父が遺した小麦畑と葡萄の樹のそばで、兄のアオはワインをつくり、ひとまわり年の離れた弟のロクは、小麦を育てている。アオは"黒いダイヤ"と呼ばれる葡萄"ピノ・ノワール"の醸造に励んでいるが、なかなか理想のワインはできない。そんなある日、キャンピングカーに乗ったひとりの旅人が、突然ふたりの目の前に現れた。エリカと名乗る不思議な輝きを放つ彼女は、アオとロクの静かな生活に新しい風を吹き込んでいく・・・

◎オフィシャルサイト
http://budo-namida.asmik-ace.co.jp

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