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2014年11月17日 公開

WEB イラストレーター 新矢 千里さん(Kinpro)

目標とする世界の人とつながれることもあるし、
尊敬出来る人にも会える。

イラストレーター 新矢 千里さん
大きな木と動物たちを独特の色づかいとタッチで描き、絵本の挿し絵やスマホの壁紙、文房具、お菓子のパッケージなどのイラストを担当し、国内外で幅広く活躍中。Kinpro(キンプロ)の名でも親しまれるイラストレーター・新矢千里さんのアルバイト体験をインタビュー。

叱られても前向きに
「頑張ろう」と思う経験を繰り返して

「最初のアルバイトは高校3年生、卒業間近の冬休み。年末の朝市でね、かまぼこやだて巻きを売るお手伝いをしたんですよ。友達のご家族の関係のお店で『やる?』って聞かれて『やるやるー』って。友達も一緒だったし、楽しかったですよ」と、ゆったりした口調で話すイラストレーターの新矢千里さん。自身のイラストの世界からすうっと抜けて出てきたかのような、不思議な魅力に包まれた女性である。高校時代はバスケットボール部に所属していたそうで「大きな声を出すのは得意だったのね。だからお客様に大きな声をかけるのも平気。ただ、売り子は“声かけ”だけじゃなく販売もするの。計算はすごく苦手で店の人にも「おいおい…」ってあきれられるほど。もういいから外で呼び込みをしておいで、なんて言われちゃって(笑)」
高校卒業後、進むべき道を決めきれなかった新矢さんは、進学・就職ともにせずアルバイト生活をスタート。最初はホテルの仕事で、朝6時からお皿洗いの仕事が始まり「毎日毎日の早起きはいささかキツかったですねえ」と笑いながら振り返る。朝食の皿洗いの後はベッドメイキングで、それが終わると夕食時間帯の和食レストランの皿洗い。途中から「皿を割ったら罰金制」が導入され、ドキドキしながら“高そうな食器”を洗ったそうだ。人一倍丁寧でなかなか仕事のペースを上げることが出来なかった新矢さんは、流れ作業をストップさせてしまったり、決められた時間をオーバーしてしまうことも多かったそう。
「ベッドメイキングではね、どうしても必ず1部屋分残っちゃう。みんなに追い付きたい一心で一生懸命やるんですけれど…。長く勤めているおばさんが、私のためにトレーニングしてくれたりもしたんだけど、どうしてもみんなと同じようには終わらないの。怒られてばかりいたけれど、それでへこんだりとかはなかったかな。怒り方が上手な人たちだったっていうのもあるんでしょうね。楽しかったし、とにかく前向きに頑張ろうって思えてました」

多くの出会いを通じ
見つめ直した将来の自分の姿

司法試験に挑戦し続けている人やマジシャン、バイクレーサーを目指す人など、さまざまな目標に向かって頑張る同僚も多く「みんな素敵だなって。バイトとはいえみんながプロフェッショナルな感じで、『適当でいいや』っていう人が周りに一人もいない環境だったの。だからこそ、どんなに叱られても自分も頑張ろうと思えたんでしょうね」。ちなみにこの時のアルバイトのお給料で、新矢さんは50ccのスクーターを購入。自分で働いたお金で手に入れたことがうれしくて、まだ暗いうちに起きて海まで走り、それからホテルに出勤することもあったそうだ。
その後、知人の紹介で新矢さんは札幌市の忘れ物センターの臨時職員に。そこではまず、忘れ物の量の多さに驚き、種類の多さにもビックリ! 「特にね、雨の日はものすごい量の傘が届くんですよ。問い合わせの電話も多いから、雨の日はもうビクビクもの。恐怖の雨の日です(笑)」。この職場には、別の仕事で定年を迎えて転職してきた年配の同僚が多く、その人たちのさまざまな生き方に触れるうちに、新矢さんは初めて自分の将来について真剣に考えるようになっていった。

デザインの仕事を目指して専門学校へ
夢に向かって第一歩

もともと絵を描くことが好きだった新矢さんは「一生の仕事としてデザイン関係の仕事に就きたい」と思うように。長く仕事を続けられる技術を身に付けるため、専門学校の夜間部に入学した。昼間は喫茶店で働き、「少しでもデザインの仕事に近い世界にいたい」と、印刷会社でもアルバイトをするようになった。やがて自分で描いた絵を友達に見せたり、バーに飾ってもらったりするようになり、偶然それを見た編集プロダクションの人から「君の絵を新しい雑誌の表紙に使わせてほしい」とスカウトされる。そのプロダクションへの就職も決まり、新矢さんはイラストレーターとしての道を歩み始めた。
「どんなアルバイト先にも必ずすごいなって思える人がいるのよ、尊敬出来る人。どんな経験も決して無駄にはならないから、一生懸命に頑張ってほしいな。特に何か目標がある人は、なるべくその目標に近いアルバイトをするといいって、私は思うの。これは人によって考え方が分かれるところでもあると思うけれど…。そこでその世界の上の人たちとつながりを持てることもあるかもしれないし、生きていく道につながる出会いだってあるかもしれないから」と、温かみいっぱいのふんわりした笑顔で話してくれた。

★新矢 千里さんの思い出バイト TOP3★

朝市の売り子
朝4時からの仕事に歩いて通勤。体育会系ノリで頑張りました。「特に大変だとは思いませんでした。やっぱり若かったんでしょうねぇ」
ホテルスタッフ
早朝から1日中続く体力仕事でしたが、社員食堂の料理が豪華で、ちょっと崩れてしまったケーキなどもよく登場するのが楽しみでした♪
喫茶店
お客さんを待たせないように接客をしたりお皿を洗ったりするのはなかなか大変。でも、当時身に付けた技術は一人暮らし中も大活躍。

<プロフィール>
新矢 千里

札幌市出身。「自然」から得たモチーフを中心に絵本や雑貨、お菓子、Webコンテンツなど、国内外の幅広い分野で活動中のイラストレーター。90年代初めからマックを使用して作画して来た“マック派”。

<インフォメーション>

●グッズ情報
動物園限定雑貨「Kinpro ZOO」
動物園をモチーフにした新矢さんデザインの雑貨が登場!
11月中旬から円山動物園にて発売開始!

クランチ菓子「Makea Puut」(マキャプート)クリスマス限定商品
クリスマス版パッケージが登場!高島屋web shopから販売予定です。

来年のバレンタインチョコレートのパッケージイラストもお楽しみに!

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