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バイトがあって今がある ホルスタイン・モリ夫さん

2014年12月15日 公開

仕事の場は出会いの場。
人とかかわることで、夢に近づける。

タレント、スナックママ ホルスタイン・モリ夫さん
既成の女芸人という枠を超え、過激なトークやネタで、お笑い界に伝説を作ったモリマン。ボケ担当、ホルスタイン・モリ夫さんに、下積み時代のバイトのエピソードや、自身が経営するスナックで働く後輩への思いをインタビューした。

屈辱の初バイトから
働く楽しさを知るまで

90年代後半に巻き起こった、空前のお笑いブーム。当時は数少ない女芸人の中で、ひときわ存在感を放っていたコンビがモリマンだった。ホルスタイン・モリ夫さんの体を張ったネタの数々は、お笑いファンの間で今なお語り草に。現在札幌へ活動拠点を移したモリ夫さんは、時にタレント、またある時にはスナックのママとして奮闘している。モリ夫さんが経営する、すすきののスナック「糸」へお邪魔すると、お馴染みの人懐こい笑顔で迎えてくれた。
パワフルで明るいモリ夫さんゆえ、さぞかし華やかなバイト歴があるのかと思いきや、伺ってみると「地道な裏方作業が、けっこう好き」と意表を突く答えが。
「初めて働いたのは高校生のころ。洋服店のバイトだったんですが、厳しい規則に耐えられず、逃げるように辞めてしまって」
短大に進学したモリ夫さんが、次に選んだバイト先はパン工場。「一人で黙々と打ち込む仕事が、案外性に合っていたんです。パンに焼きそばを詰める作業が相当早かったらしく、当時工場では、皆から“焼きそば日本一”と呼ばれていたくらい(笑)」
仕事で褒められる喜びを知り、働くことに自信を持つようになったモリ夫さん。その後大きな夢を抱いて、上京を果たす。さまざまな職を転々として落ち着いたのは、近所にあったラーメン屋でのバイトだった。
「繁盛している店なのに、いつも従業員不足だから、何でも任されていましたね。それまで料理なんてほとんどしたことがなかったのに、3日で中華包丁を扱えるようになりましたから(笑)。相方(種馬マンさん)も近くに住んでいたので、よく電話で『今から来て!』と、呼び付けたりして。実はテレビ出演の仕事が増えてきた後にも、店から電話がかかってきていたので、1日2時間とかバイトしてました(笑)」

つらい経験こそ
自分が成長出来るチャンス

どんな仕事も楽しいことばかりではないが、「嫌な出来事こそ、自分の成長につながる」と、モリ夫さんは前向きに話す。「若いころにバイトが長続きしなかったのは、職場でズバズバ意見を言うから。それが仕事への熱意だと思っていたけれど、見方によっては余計な一言だったのかも。今思えば良い社会勉強になったなと」
10・20代の人へ、「自分の興味のあることにどんどん飛び込め」と、エールを送るモリ夫さん。「『仕事を頻繁に変えるのはダメ』という考えもあるけど、悪い面ばかりではないですよ。失敗は自分を見つめ直すチャンスになったし、環境を変えた先には新しい出会いが待っていた。親には心配をかけたけど、今では『若いうちにいろんな経験をしておいて良かったね』と、言ってくれますもん」

どんな仕事であっても
礼儀や感謝を忘れずに

多忙を極めた東京での芸人生活、そしてさまざまなバイトでの経験。自身で開いたスナック「糸」は、まさにモリ夫さんの集大成だ。
「きっかけは、お世話になっている光浦(靖子)さんへ、海外旅行をプレゼントしたかったから。それには稼がなきゃと思い立って、1カ月で開店したんです。そしたら今度は、私が忙しくて海外に行く暇がなくなっちゃって(笑)」。
意外な動機で始めた店だが、札幌で下積み中の若手芸人の働く場、そしてすすきのの憩いの場として、愛される空間に育っている。
「ここで多くの出会いが生まれればうれしいな。私も若いころは、週5で飲み歩いていました。若くして成功した人たちと知り合い、影響を受けたから、『自分も何か出来る!』と思えたんです」
そんなモリ夫さんも、今では後輩へ影響を与える側の立場。「糸」で働いている後輩の若手芸人には、「勤務中にネタを披露しないこと」と指導しているそう。
「芸人って、うぬぼれがちな所があるでしょ? だからうちの店では『芸人であることを捨てて働け』って、教えているんですよ。ここで働く以上、礼儀や感謝の気持ちといった、人として大切な部分を身に付けてほしいと思っているんで」
ネタを封印して懸命に働く若手芸人たちの姿を見て、これまでお笑いに興味がなかった常連までもが、ライブに足を運んでいる。モリ夫さんの作戦が、功を奏したわけだ。
「働く側とお客様が持ちつ持たれつという、良い流れになっているんじゃないかな。スタッフが失敗しても、お客さんがツッコミを入れてくれたりして(笑)」
芸人である前に、一人の人間として魅力的であること――。それにはたくさん回り道が必要だと、モリ夫さんの体当たりの生き方が物語っている。

★ホルスタイン・モリ夫さんの思い出バイト TOP3★

ラーメン屋
惣菜作りも担当していましたが、素人だけに儲けは度外視。良い肉や魚介を容赦なく使っていたからよく売れました(笑)。
レンタルビデオ店
映画が好きなのでPOP作りにも熱が入りました。バイトが終わった後、映画に詳しい仲間と飲むのも楽しかった!
パン工場
ひたすら作業に没頭するのが、いつしか快感に。パンが無料になると思っていたけれど、もらえなかったな〜。

<プロフィール>
ホルスタイン・モリ夫 (モリマン)

1973年生まれ、北海道苫小牧市出身。1994年に種馬マンとお笑いコンビ・モリマンを結成。「ボキャブラ天国」「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」などに出演し、お笑いブームを牽引した。現在タレントとして活躍する傍ら、すすきののスナック「糸」(会員制)のママとして店を切り盛りしている。

<インフォメーション>

●テレビ出演
「フルーツアプリ女学園 season2」
UHB 木曜25:15〜25:45
「映女と音女と福男」
UHB 火曜25:15〜25:25

●ラジオ出演
「モリマン・Nifuの数打ちゃ当たる OH MY ○○(ピー) GOD!」
三角山放送局 木曜16:00〜17:00
「よしもとホッカモリ」
道内9局のコミュニティFMで放送中
ラジオカロスサッポロ 金曜21:00〜22:00 など

「スナック 糸」 <会員制>
札幌市中央区南6条西3丁目 ニュー公楽ビル2F
営業時間/21:00〜不定
TEL/011-511-9633
Twitter
https://twitter.com/snack_ito/

バイトがあって今がある

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バイト先の人たちがMVに出演してくれたほど、良い出会いばかりだった。