THE BAWDIESのメンバー4人で引っ越し業のアルバイトをしたこともあったが、体力的に楽なエレベーター係に指名されるのはなぜかいつでもROYさん。「立ち位置にちょっとしたコツがありまして…(笑)。メンバーみんなが汗だくになって力仕事をしているのにね。みんなが怒らないかって?全然。JIM君もMARCY君もみんな『仕方ないなあ』って笑ってましたね」と、公私にわたる仲良しぶりを見せてくれた。
そしてもう一つ、ROYさんの思い出に残っているのが実家の和食店。「カウンター8席の小さな店で接客を手伝ってました。お酒が入った年配のお客さんたちと会話してると、決まって『何になりたいの?』『将来の夢は?』って話になるんですよ。バンドマンって答えると『はああ』みたいなリアクションが返ってきて、腹が立って…。熱くなってロックの素晴らしさを語り始めると、そのうちに『無理に決まってるだろ』って鼻で笑われちゃう。するとマスター、つまり父が出て来るわけです。シュワルツェネッガーみたいな体型で、僕の数倍デカい声で怒鳴るんです。『人の夢を笑うのは自分の夢も持てないバカヤローだ、出てけ!』って」。バンドマンというROYさんの夢を反対するどころか、夢中になれるものが見つかったことを喜び「ならばそれを極めてみろ」と応援してくれたそうだ。「2代目は味が落ちるからこの店は継がせない、っていうのが父の口癖。本心は分からないですけどね。僕の背中を押してくれるためだったのかもしれないです」