他社がやらないことや新たな価値観を追い求め続ける北海道小麦のパイオニア【江別製粉株式会社】

2024年7月1日公開

代表取締役社長／安孫子俊之さん

「国産小麦で作ったパンを食べたい」という声に応え続けた歴史

戦後、食料援助として輸入される小麦を製粉する会社として創業した江別製粉の代表取締役社長安孫子俊之さんにお話を伺いました。30年以上前から北海道産小麦の研究と商品開発を先駆け、ハルユタカなどのブランド化に貢献してきました。少量生産が可能なミニプラントFーshipも「“我がまち”、“我が畑”の小麦で特産品を作りたい」といった声に応えて導入したもの。パン、ピッツア、菓子、ラーメンなど用途別の小麦粉や品種別の小麦粉を製造し全国のみならず海外にも販売しています。

甘さ控えめがおいしいみんな大好き！「おやつイン」の思い出

江別市緑町で三人兄弟の真ん中で育ったという安孫子さん。旭川高専から室蘭工大に編入し、卒業後はソフトウェア会社での勤務経験を経て、江別製粉に入社しました。子どものころの思い出はと聞くと日曜日の朝ご飯に「おやつイン」で作るホットケーキで、学生の一人暮らしの時にも卵焼き用の四角いフライパンで自分で作っていたらしく「牛乳で作ってもおいしいんですよ」と教えてくれました。「おやつイン」の思い出コンテストをやってみたいという考えもあるそうです。

キッチンラボ「江別製粉東京LAB」がオープン

「東京支店とかはつくらないでいたんですけども時代も変わってきたので」とレシピの試作や提案ができる場として東京LABが開設されました。パン屋やラーメン屋をやりたいという人が学び、小麦の生産者と出会って交流でき「いい感じの場所ができました」と小麦粉の魅力を発信する拠点が増えました。

N-GRITS栗山工場で純国産コーングリッツ製造開始

小麦の連作を解消して収量増につながる子実コーン（輪作への定着）への定着と、スナック菓子などの原料となるコーングリッツはほぼ外国産だったことから、子実コーンを加工する事業を始めました。「小麦粉の営業では結びつかなかったところにアプローチができる」と販路を開拓中です。道内の研究機関とスクラムを組み、道産コーンウイスキーを製造するプロジェクトも進んでいます。新しい食の楽しみの世界が広がっていきそうです。

もし、莫大な富を得たら・・・これからやりたいこと

早く引退して元気なうちにキャンピングカーで全国を旅したいと言いながらも、工栄町に製品倉庫が完成し今までの倉庫が使われなくなったので、空いたスペースを使って「夢はワンフロアに全員が入れる事務所をつくること」と教えてくれました。更に願わくば地域の自治会館を建て替えて寄付したいのだそうです。莫大な富を得て、ぜひ実現させてくださいと思いました。

安孫子さんの江別の一押し！

国道12号線からの景色
雪が降ってからの青空、公園の草が刈られた時のにおい、日常の些細なシーンに美しさを感じることができる場所が江別には多いと感じています。国道12号線を岩見沢方面に向かって出発した早朝。右カーブしながらグーンと上がった辺りで見えた景色には奇麗だなって思わず声に出たそうです。

江別製粉株式会社

北海道江別市緑町東3丁目91
TEL.011-383-2311
https://haruyutaka.com

BRICK RADIO（レディオ）

江別にゆかりのある人を紹介するネットラジオ「BRICK RADIO（レディオ）」。これまでに陸上十種競技の右代啓祐さん、直木賞作家の桜木紫乃さん、江別市内のお店の方など様々な方が出演！

Spotify、Apple Podcastでも配信中！
https://note.com/brickradio

文・取材：三ツ井瑞江／写真：岩崎晃和

江別ラブな人に聞く！えべつびいき