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バイトがあって今がある 半﨑美子さん

2023年9月4日 公開

バイト先で出会った暮らしの風景や出来事が歌の原点になっています。

「ショッピングモールの歌姫」の異名を持つシンガーソングライターの半﨑美子さん。苦節17年でメジャーデビューをした彼女に音楽を始めたきっかけやアルバイトの経験について聞いた。

雷に打たれたように目覚めた歌手への夢。

半﨑さんは札幌市生まれ。幼いころは姉のCDを借り、『ドリームズ・カム・トゥルー』や『渡辺美里』、『カーペンターズ』など女性ボーカルのポップスを中心に聞いていたと振り返る。だが幼少期から歌手を夢見ていた訳ではなく、人前で歌う機会も高校の学校祭でのステージぐらいしか経験がなかったという。本気で音楽の道を志したのは、札幌市内の大学に進学し、R&B歌手と出会ったのがきっかけだった。
「突然雷に打たれたように音楽に目覚めちゃったんです。その出会いを機に私もクラブで洋楽のカバーを歌うようになって。自分の歌声をもっと多くの人に聞いてほしいという思いがあふれてしまい、すぐに大学を中退して上京しようと決めました」
根拠もなく「東京に行けば歌手になれる」という半﨑さんに、当然ながら父親は猛反対。それでも意志が固くあきらめきれない半﨑さんは求人誌をめくり「住み込み」の文字を探し求めた。そこで見つかったのが、今も自身のプロフィールに必ず書かれている東京都内のパン屋でのアルバイトだ。
「私のように夢を持って上京する人に人気のバイト先だったようで、とっても倍率が高かったんです。このチャンスを逃すまいと、面接では歌に対する思いを熱心に語り、夢への熱意を書きつづった手紙まで渡しました(笑)」
その作戦が功を奏し、パンの販売や併設するカフェスペースのホール係として採用されたという。目的のためならどんな困難な道も真っ直ぐに突き進み続ける、半﨑さんらしいエピソードだ。

パン屋のバイトで10キロの増量!?

無事に上京を果たした半﨑さんは朝から夕方までがむしゃらになって働いた。
「お店の2階が私の住む部屋だったので、休みの日以外はずっと同じ建物内を行き来する生活でした。オーナーさんや同僚、パートさんもみんな良い人で、私のことを応援してくれていて。バイトを終えて部屋に戻るとよく、ドアノブにお店で余ったパンやケーキの入った袋が掛けられていたんです。ずっとパンかケーキしか食べてなかったので、気付いたら10キロも太っちゃいました(笑)」
週に一度しかなかったという休みの日には、朝から晩まで自分の歌を録音したテープやMDをレコード会社へと持ち込んだ。
「どうしたら歌手になれるか分からなくて、片っ端から自分の曲をレコード会社に持ち込んでいったんです。音楽関係の人かも分からない人にいきなりデモテープを渡したことも(笑)。ただ、ほとんどのレコード会社は門前払いで、テープを受け取ってくれたとしても連絡が来ることはありませんでしたね」
とうとう送り先が尽きた半﨑さんが次に飛び込んだのはクラブだった。
「幸いステージに立つことはできましたが、クラブって基本的にみなさん、踊りに来るじゃないですか。私の歌はバラードが中心でしたので、歌い出すと何だか雰囲気が違うんです。『ここじゃないな』と気付くまでに6年かかりました(笑)」
その間もコンビニのレジ係や携帯電話ショップの店員、レストランのホール係や街角でのチラシ配りなどさまざまなアルバイトを経験したという半﨑さん。
「今振り返ると接客業がほとんどなんです。さまざまな場で出会った人の優しさや温かさが、どんなに困難な状況でも夢を追いかけるための原動力となっていました」
「生活に根ざした歌」を掲げる半﨑さんにとって、この経験は後につながっていく。

人々の何気ない暮らしを原点に歌う

半﨑さんが初めてショッピングモールで歌ったのは2006年。あるレストランで出会った女性ピアニストから勧められ、自ら企画を持ち込んでの開催だった。
「最初は人が全く集まらなくて、観客が3人という日もありました。でも、ショッピングモールという日常の延長線上のステージは私の目指す歌にピッタリ。たった一人でも感動してくれるなら、ここで歌い続けたいと思ったんです」
更にライブでは宣伝から会場づくりまで自ら行っていたという。
「チラシ配りも会場設営も、すべてアルバイトで経験していたので慣れていたんです(笑)。数を重ねるごとに買い物するお客様の動線も見えてくるようになって、それに応じたステージの位置や椅子の並べ方もできるようになりました」
こうした小さな努力の積み重ねで、一人また一人と歌声に足を止める人が増えていく。サイン会を開くとファンから手紙を受け取るようになり、そこに「返信」するように楽曲をつくるという現在のスタイルが生まれた。やがて人々は彼女を「ショッピングモールの歌姫」と呼ぶようになる。
「人の暮らしに根付いた歌を届けたい。そう思えるようになったのは、アルバイトで人々の生活を見つめていたから。引きこもって音楽だけを作っていたら、全く違う歌ができていたかもしれないですし、デビューのきっかけを作ってくれた人々との出会いもなかったでしょう。パン屋のカウンターから、コンビニのレジから、ティッシュ配りの街角から見つめた風景、そこで出会った人との交流が今も私の原点なんです」
最新アルバム『うた弁4 you』では半﨑さんがパン屋での下積み時代を振り返り、歌った楽曲『途(みち)』も収録されている。札幌をはじめ全道7つの都市をめぐるツアーも開催予定だ。
「夢を追いかけて上京し、さまざまな出会いと経験によって故郷・北海道の皆さんとの結びつきが強くなりました。思いをいっぱいに込めた私からの〝返信”をぜひ、受け取ってください」

半﨑美子さんの思い出バイト

コンビニのレジ係
高校生の時にはじめた人生初のバイトでした。住宅街が近くて常連さんがほとんどだったので、毎日何気ない会話を楽しみながら働いていましたね。
住み込みのパン屋
夜中にどうしてもお腹が空いて、こっそり期限切れのパンを探していたらネズミ獲りに足がひっかかってしまって。夜中に叫び声を上げた思い出があります(笑)
表参道のレストランバー
ライブもできるオシャレなお店でした。数年前、ある歌手のマネジャーとお会いした際「あのレストランで半﨑さんを面接したの、僕なんです」と言われてビックリ!

プロフィール

半﨑美子
北海道出身のシンガーソングライター。17年間どこにも所属することなく、個人でショッピングモールを回って歌を届け、「ショッピングモールの歌姫」として数々のメディアで話題に。2017年4月、NHKみんなのうた「お弁当ばこのうた〜あなたへのお手紙」や「サクラ〜卒業できなかった君へ〜」などを収録したデビューアルバム「うた弁」を発売しロングヒットとなる。同年「第50回日本有線大賞新人賞」を受賞し、2018年3月、TBS「情熱大陸」への出演で反響を呼ぶ。長年の夢がかない「地球へ」が小学校の音楽の教科書に2024年から掲載されることが決定している。
オフィシャルサイト:
https://www.hanzakiyoshiko.com/

インフォメーション

●最新リリース情報
「うた弁4 you」

■特別盤[CD+DVD]
CRCP-40666/5,500円(税込)
■通常盤[CD]
CRCP-40667/2,500円(税込)

●ライブ情報
「半﨑美子『うた弁4 you』発売記念
HOKKAIDO LIVE TOUR 〜往復書簡〜」

札幌公演
10/16(月)カナモトホール
■開場/18:00 ■開演/19:00
■チケット/全席指定 5,000円(税込)
■取り扱い/ローソンチケット<Lコード:11666>
https://l-tike.com/hanzakiy-hkd/

バイトがあって今がある

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