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バイトがあって今がある BRAHMAN TOSHI-LOWさん

2021年11月29日 公開

遠回りだろうが、
突き進むしか道はない。

BRAHMAN TOSHI-LOWさん
1995年の結成以来、25年以上にわたり日本のバンド・シーンを牽引してきたBRAHMAN(ブラフマン)。そのフロントマンとして東日本大震災の復興支援活動や哲学的な発言から、注目を集めるのがTOSHI-LOWさんだ。「できれば働きたくない」と言いつつも、自身の経験を元に若い世代への熱いメッセージを送ってくれた。

金髪に眉毛無し…面接すら拒否される日々

鋭い眼光に、鍛え上げられた肉体。そんな風貌や数々のロックな伝説から、ついた呼び名は「鬼」。バンドの強靱でストイックなイメージを体現するような姿に、思わず背筋が伸びる。そんなTOSHI-LOWさんだが、いざ取材を始めると「バイトの話ね…色々やってるんだけど、書けないようなヤバい話はやめておくよ(笑)」と取材陣を和ませてくれた。
TOSHI-LOWさんは茨城県の出身。初めてのバイトは小さな頃、実家が営む食品加工工場でダンボール作りやシール貼りを手伝い、ちょっとしたお小遣いを貰っていた事だそうだ。高校に入ってからは水泳で鍛え上げた体格を生かし、建設現場やコンサートスタッフのバイトをしていたというが…。
「基本、働きたくない(笑)。高校時代は頼まれたらバイトしたってくらい。本格的に経験したのは大学に入ってからかな」
高校を卒業したTOSHI-LOWさんは、1993年に東京にある大学の夜間部へと進学。音楽活動や生活のためにバイトを始めるが、当時は金髪で眉毛もないというイカツイ風貌。プールの監視員を始めるも「注意するよりされる方」で長続きせず、他のバイトも見た目から敬遠されたそうだ。そんな時、見つけたのが宅配弁当店の仕事。
「当時、接客はオレみたいな格好だと断られたんだけど、出前ならガラが悪くてもOKみたいな風潮があって。それで弁当屋の配達員募集の求人を見て面接に。事務所を尋ねたら、社長がオレもよく読んでたプロレス雑誌を見てたもんだから、プロレスの話で盛り上がって、そのまま合格(笑)」
しかし、その社長こそ、今でもTOSHI-LOWさんが「オレの全てを作ってくれた」と語るほど、後の人生に影響を与えた人物だった。

今も心の中で生き続けるバイト先の社長

ようやく自身を受け入れてくれるバイトに出会ったTOSHI-LOWさん。しかし、遅刻は当たり前、雨の日には忙しくなるのが嫌で休むなど、その勤務態度は極めて不真面目だったとか。自身でもあまりに働く意欲が無い事に、辞めようかと考えていたと苦笑する。
そんなある時、街中での些細なトラブルが喧嘩に発展し、そのまま警察に連行される事になった。聴取を終えるも、まだ未成年だったため身元引受人が必要だったが、周囲に頼れるような大人はいない。途方に暮れていた深夜3時、警察から「迎えが来た」と呼び出される。誰かと思えば、バイト先の社長だったそうだ。
「礼を言おうと表に出たら、既に社長は立ち去っていて。それで翌日『将来ビッグになって必ずこの恩を返します!』と頭を下げたら『どうでもいい!』と一喝。『そんな事より、もう遅刻するんじゃねぇぞ!』って」
その後、TOSHI-LOWさんの身には変わらずトラブルが起きたが、文字通り足を引きずりながらでもバイトを休む事は無かった。次第にホール、調理とさまざまな仕事を任されるようになり、社長からの勧めで調理師免許まで取得。インディーズで最初のアルバムをリリースするまでの5年間、働き続けたそうだ。
「本当ならそのまま続けたかったんだけど、バンドが忙しくなるにつれて出勤できる日が少なくなって。辞める時も、社長はぶっきらぼうに『おう、頑張れよ』って言うだけだったけど、心から応援してくれてる事が伝わる声色だった」
それからはメジャーデビュー、全国ツアー、海外ツアーとバンドは着実な歩みを続けていくが、TOSHI-LOWさんは社長を「人生の師」と仰ぎ続け、その交流は2019年、社長が亡くなるまで続いた。
「亡くなった時、オレは海外にいたから死に目に会えなくて。困った時はいつも相談してたし、人生のあらゆる分岐点に、強くて優しい、あの社長の姿があった。ずっと追い続けてきた背中が突然、姿を消してしまった。でも、歌詞にも、バンドの運営にも、復興支援だって、オレの心の中では社長は生き続けているよ」

コロナ禍でもひたすら歩み続ける

「バイトが無ければ今のオレは無い」と断言するTOSHI-LOWさん。しかし若い世代へのメッセージを求めると「金に困ってないならバイトなんてしなくていい」と意外な答えが返ってきた。
「ただし、バイトで培った打たれ強さってのは必ず経験になる。遊んでるだけ、ラクしてるだけってのも後で大変だから、代わりに何か経験しろっていう条件付きかな。今の若者はコロナで気の毒だと思うけど、ただじっとしてるだけで何かを得られるほど世の中甘くない。オレも以前のようなライブができない中で考え抜いて、今しかできない事をやってきたつもり」
そんなBRAHMANが9月にリリースしたニューシングル「Slow Dance」は、コロナ禍を背景にしつつも、ブレる事なく芯を持って活動する確かな意思が感じられる楽曲だ。静けさと内に秘めた激しさを併せ持ち、長年活動してきたバンドだからこそ放つ事ができる熱量まで音に載せているようだ。次のツアーも「今やれる事をやるのみ」と話す素振りに、TOSHI-LOWさんの変わらないスタンスが伝わってくる。
「オレの場合はただバンドがやりたかったけど、あのバイトで社長や社員たちとの出会いがあって、今がある。それは端から見れば遠回りかもしれないけど、社長の言葉を借りれば『人生に遠回りはあっても、近道はない』。近道があるなら、とっくに誰かが歩いた跡ができてるはず。それが無いって事は遠回りだろうが、目の前の道をひたすら突き進むしかないんだよ」

TOSHI-LOWさんの思い出バイト

中華料理店
高校の時。麻雀荘に出前に行ったら、危ない人に声掛けられたりしたけど、原付きの免許をとらせてもらった(笑)。
プールの監視員
大学に入って最初のバイト。監視どころか、注意される側だったからすぐに退職。
居酒屋
社長も社員もいい人達だった。あの人達がいるなら、今でも働きたいって思うバイト。

プロフィール

BRAHMAN
1995年に結成、ハードコアやパンクに民族的なエッセンスを盛り込んだオリジナリティーで、トップを走り続けるバンド。2011年の東日本大震災以降は、ボーカル・TOSHI-LOWを中心に音楽活動の枠を越えた被災地支援活動に取り組み、多くの人々の注目を集めている。コロナ禍の昨年以降は来場客が座った状態でのライブや、映像とのコラージュを駆使した演奏など、更なる進化を遂げたライブパフォーマンスで新たな扉を開いた。
オフィシャルサイト:https://brahman-tc.com/

インフォメーション

●最新リリース情報
「Slow Dance」

■初回限定盤 A[CD+BD2枚]
TFCC-89714〜89716 6,600円(税込)
■初回限定盤 B[CD+DVD2枚]
TFCC-89717〜89719 5,500円(税込)
■通常盤
TFCC-89720 1,320円(税込)
※全タイトル ライブツアー先行シリアル封入

●ライブ情報
「BRAHMAN Tour -slow DANCE HALL-」

12/22(水)
札幌市教育文化会館 大ホール
■開場/18:00 ■開演/19:00
■お問い合わせ/SMASH EAST
■TEL/011-261-5569

バイトがあって今がある

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