コーヒーと音楽とアート、文化の拠点となり江別に新しいものを広めたい【豆工房 小林珈琲店】

住宅街にある古民家を改装した隠れ家的カフェ「豆工房小林珈琲店」。昔なじみの常連客や、評判を聞き訪れる新規客も多い人気の珈琲店です。レンガの壁に蔦が絡まった外観も趣きがあり、店内のインテリアも流れるBGMもくつろげる落ち着いた雰囲気です。併設された工房で焙煎しておりコーヒーの良い香りが漂います。看板のブラックボードの絵やオシャレな文字はお父さまが書いたもので、とてもすてきです！取材時には「えべつまちなかアート月間」が開催中で、若手アーティストの作品が展示されていました。「まちの活動とのかかわりは、勉強になります」とお話してくれたのは、小林裕司さん。裕司さんが生まれたのは苫小牧。幼少のころは室蘭で暮らし、小学3年の時に両親の地元であった江別に越してきました。子どものころはニチイ（懐かしい！）のオモチャ売り場が大好き。4歳下の弟さんはスポーツが好きでしたが、裕司さんはスポーツよりも音楽や映画が好きで、高校の時には吹奏楽部に所属していました。仲間とバンドも組んで活動をしていましたが「当時の江別では披露できる場所がなかった」と高校卒業後は東京へ進学し音楽の世界で活動されます。小林珈琲店は、2007年お父さまが脱サラし開業しました。10周年を迎える年に裕司さんが東京から戻り、現在はご両親と共にお店を営んでいます。

東京から戻ったころの江別では、これから江別蔦屋書店がオープンすると話題でした。EBRIでは、DJイベントBrick Partyが開催され、江別でも好きな音楽を通じてかかわりが持てたり、楽しいことができそうとうれしく感じたそうです。裕司さんはITにも関心が深く電子マネーを活用したり、 ネットでの通販、Woltの宅配にもすぐに取り組みました。電子マネーの支払いは年配のお客様からも便利だと好評なのだそうです。「情報大学が取り組んでいるプロジェクションマッピングやVRと何かコラボができたら」と最先端ものが好きだと言う裕司さん。東京と江別を行き来しながら常にアンテナを張り情報収集を意識しています。最近、一番関心が高いのはメタバース。売るほうも買うほうももっと自由に選択できるように、江別のみんなとメタバースマルシェができたらいいなと話します。自分が知り得た最先端の情報をみんなと分け合いたいし、発信したい。江別から文化を生み出すことに一役買えればと考えています。

東京に比べ高い建物がないので広い空が目に優しい、遠くの山に沈む夕日の風景が好き。新鮮な地元野菜が買えることも気に入っています。コーヒー豆も鮮度へのこだわりが美味しさの秘訣。コーヒー尽くしの特製コーヒーパフェも人気メニューです。小林珈琲店のコーヒーは、釜飯の店「やか多」や「パティスリー モルフォ」など江別市内の多くの飲食店で取り扱われていますが、こうしたまちの店は江別の宝だと言います。そんな小林珈琲店も宝だと思いました。

文・取材：三ツ井瑞江／写真：岩崎晃和