美容師、経営者、市議会議員の三刀流で江別をもっと住みやすいまちにする【株式会社SERENDIPITY／岩田さん】

江別市で4店舗、札幌、東京にも展開する美容室SERENDIPITY（セレンディピティー）の代表取締役社長岩田優太さんにお話を伺いました。岩田さんが運営する美容室は各店舗ごとに特色があります。コインランドリーと美容室を併設させた店舗は道内初の試みでした。他にも美容商品の販売ショップとの複合型サロン、カフェやネイル・まつげサロンが併設された美容室など多彩です。美容室と他業種を組み合わせたのは、美容師としては働きづらくなったスタッフでも仕事を続けることができる環境をつくりたかったから。サロンワークは長時間の立ち仕事であったり、次々と流行が変わるヘアスタイルの技術を日々勉強しないといけない大変さがあるのだそうです。出産などで1度仕事を離れてしまうと、せっかく美容師免許を持っているのに職場復帰をためらう美容師が多いのが現状です。そこで長期的に働ける受け皿を増やすために飲食店や託児所などの展開もしています。

更に岩田さんは、病気やけが、高齢などの理由で美容室に行くことができない方のために介護施設・福祉施設・病院への訪問美容を定期的に行っています。お客様のライフスタイルに寄り添って、地域に根ざした美容を提供したいという思いは美容だけに留まりません。現場に立ち美容師としてお客様に接しコミュニケーションをとるなかで「子どもを預けられないから美容室にも来られない」という声を聞き、未就学児を対象とした一時保育施設を開園させました。コロナ禍でイベントが次々に中止されると、オリジナルで成人式撮影会を開催します。今年度は着付けのカルチャースクールを開講し、撮影会開催の時には受講者に着付けの仕事をしてもらえる仕組みもつくりました。お客様の困り事を聞き流さず解決しようとするなんてすごいですよねと感心すると「江別に恩返しがしたい」のだと言います。そんな岩田さんは、2023年4月江別市議会議員選挙に立候補し、美容師、経営者、議員と二足のわらじどころか三刀流でご活躍です。

中学時代の友人の「将来は美容師になりたい」という言葉を聞いて、自分も美容師を目指そうと思ったという岩田さん。20歳のころに専門学校の授業で40歳になるまでにやってみたいことを書き出したのだそうですが、そこに美容師として達成してきた目標の他にも「市政について考える」と書いてあったことが今回の挑戦を決断させました。「江別はもっと魅力的なまちになれる。そのために自分ができることをしたい」そんな思いをスタッフにも伝えました。ビジネスの経験をまちづくりにもいかしていけそうです。中学生のころや20歳のころに抱いた夢を実現させてしまう有言実行力が素晴らしいですよね！この先はどんなことをやっていきたいのですかと聞くと、今でも肌身離さず大事に持っているというその紙には、40歳以降に何をするかは書かれていないので、これから考えたいのだと言います。白紙に広がる可能性に大きな期待をしたくなりました。

文・取材：三ツ井瑞江／写真：岩崎晃和