理想を追求し、誰もが元気で幸せな未来を実現してほしい【株式会社北翔／清水誓幸さん】

江別太で生まれ育った清水誓幸（しみずちかゆき）さんは22歳の時、この地で自動車リサイクル事業を始めました。会社の前には奇麗に手入れされた花壇とプランターがあり「これは従業員が作ってくれたんですよ、お客様も花を見て喜んでくれます」とにっこり。花は気持ちをパッと明るくさせてくれますよね！清水さんは花びらの幾何学的なパターンから宇宙を感じるのだとか！？清水さんのお話は江別を越えて、世界と未来につながっていきました。

北翔の主な事業は、ヨーロッパ車専門の整備と輸入車部品のネット販売です。国内有数の品揃えを誇り全国的な知名度がありますが、働き方改革や子育て支援など、SDGsの達成に向けた積極的な取り組みにも注目が集まります。「社会のあらゆる問題に関心があります」という清水さん。興味を持ったことについて、海外の事例や広いネットワークからの情報収集や知識のインプットを欠かしません。江別の自然を見て、都会にももっと木を植えれば気温が下がって冷房に使う電力は節電できると考えます。趣味のマラソンで走っている最中にも、道に落ちている落ち葉から堆肥をつくって再利用できるのにと考えます。清水さんが素晴らしいのは、考えるだけでなく自分事として行動と実践をされるところ。下川町に山林を購入し、森林共循環によるカーボンマイナスを目指しています。

コロナ禍においては、飲食店が営業するために感染拡大防止対策が課せられましたが、車のコーティング技術を用いて、ドアノブやトイレの便座に抗菌コーキング加工をするボランティアキャンペーンを思いつき、江別市内の飲食店を衛生対策から応援していました。

「どうしたら良くなるか？できることは実践して追求する」という姿勢は、社内の生産性向上にも生かされています。外部から社労士と栄養士をお願いし、社員の個人面談を行います。最初のころは問題点の指摘が多くありました。社員から出された課題や要望には即対応し業務の改善を繰り返しました。ある時から面談の時に会社に対する感謝の言葉が出てくるようになったと言います。最近では、良い経営のために大切なのは健康だと感じています。健康診断を受けるだけでなく健康のためには普段からの食事が重要です。そこで栄養指導の他に「実際に身体に良い物を食べて、口で覚えてもらうのが一番いい」と週に1回オーガニック食品を利用して作られたお弁当を会社で用意します。更に「定年後も働き続けたいという人や障がいのある方など、さまざまな理由で働きずらい環境にある方の活躍の場を用意したい」と2023年着工を目標に植物工場の建設を計画しています。

「誰もが元気で幸せに暮らせる社会が理想。周りから理想論だと言われても追求したい」。未来から見て良いことなのか？という視点で自問自答する、そんな清水さんが私たちの理想です。これからもますます元気で、ご活躍をお願いします！

文・取材：三ツ井瑞江／写真：岩崎晃和