「札幌にはこれまで4回程、足を運んだことがあるんです。同世代のミュージシャンと演奏した思い出などがあって、すごく身近に感じる場所です」
そう言ってにっこりと笑う甲田まひるさん。彼女と音楽との出会いは5歳のころ。幼稚園で周囲の子どもたちが習い事を始めたことに影響を受け、自身も何かにトライしようと音楽教室でピアノを弾くようになったと振り返る。
「音楽教室の先生が、たまたまジャズ好きの方だったんです。例えば、ショパンの楽曲をジャズやラテンアレンジしたものを弾かせてくれたりして、いろんな世界の音楽に触れることができました。私自身はクラシックよりも、こうしたアップテンポでノリの良いアレンジに心を引かれるようになったんです」
甲田さんがジャズを弾き始めたのは8歳のころ。その年齢ながら借りてきたCDを「耳コピ」して楽譜に落とし込むといったトレーニングを積んでいたというから驚きだ。その一方、年齢の離れた兄と、その友人の影響もあり、まだインフルエンサーという言葉すらなかった時代にインスタグラムでファッションの発信も始めるようになった。
「ファッション関係の雑誌やウェブサイトでよくスナップ写真を撮影されているおしゃれな方がいますよね。私も『スナップされたい』と思っていたものの、原宿や表参道に遊びに出掛けても一向に撮影される気配がありませんでした(笑)。ただ、小学6年生のころから始めたインスタグラムに興味を持ってくれた方がいて、『写真を撮らせてほしい』とアプローチがあったんです。その写真がSNSを通じて広がっていったことで、ファッションのお仕事を頂けるようになりました」