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バイトがあって今がある ORIGINAL LOVE 田島 貴男さん

2015年6月22日 公開

アルバイト中に音楽を聴きまくっていた経験が
今も役に立っているよ。

ORIGINAL LOVE 田島 貴男さん
1987年からORIGINAL LOVEとして活動すると共に、SMAPやV6など、数多くのアーティストへの楽曲提供を行う田島貴男さん。ロックやジャズなどさまざまな要素を持つ多彩な音楽性が特徴だ。その背景にあるのは、どんなアルバイト経験だろう?

音楽に取りつかれた
図工好きの少年

子どものころから物づくりが好きで、学校でも図工が得意。中学校時代に、ビートルズや当時イギリスで流行り始めていたパンクミュージックを聴いたのがきっかけで、音楽の魅力に取りつかれたという田島貴男さんだ。「お小遣いを貯めてエレキギターを買って、曲作りをしてたね。音楽を作り上げていくのは、図工で物を作るのに似てる部分があるように思えてね。楽しかったよ」バンドを組んでライブの初ステージを踏んだ時の、これまで体験したこともない大音量で演奏する体験に感動し、そのままどんどん音楽活動にのめり込んでいったそうだ。
田島さんが初めて本格的にアルバイトをしたのは大学1年生の時。喫茶店で皿洗いをしたが「洗っても洗っても全然減らずに、むしろ次から次に増えていくお皿はつらかったなぁ。フレンチ系の喫茶店で、高いお皿だったんだよね。落とすとそれはもう怒られて(笑)」。そのアルバイトは3カ月ほどで辞めてしまったそうだが「もしかしたら、あと1年頑張ってみれば、あの仕事でも何か面白い瞬間に出合えたかもしれないって思うことはあるね。ただ、僕はそのころもうバンドをしていて音楽で生きていくって決めていて、そちらに力を向けたかったから…」

浴びるように音楽を聴いた
貴重な数年間

当時、バンド・ピチカート・ファイヴに加入したことで、メンバーだった小西康陽さんや高浪慶太郎さんたちと音楽の深さを共有したという田島さん。次に選んだのは中古レコード店でのアルバイトだった。店にはアメリカンミュージックのレコードが大量にあり、自由に聴いて良いと言われたそうで「聴きましたねぇ。大学を出てオリジナル・ラブ結成後まで含めて5、6年続けましたけど、その間、聴いて聴いて音楽漬け。すごく勉強になりましたよ。有名なミュージシャンが来店することも多くて、話が出来たりして、感激することもあった。あの時知った音楽からオリジナル・ラブのアルバム5枚分位のアイデアは貯められた気がするなぁ。今でもまだ役に立っていると思うことがあるくらいだから」
その後、音楽活動が忙しくなってくると継続的なアルバイトをすることが難しくなり、工場や道路工事などでの単発・日雇いのアルバイトが中心に。工場では「ベルトコンベアに1台ずつテレビを乗せる作業」だけを一日中繰り返す仕事も体験し「自分には大変だったなぁ(笑)。ひたすら単調な作業だけが続くわけだからね。朝8時から10時まで作業して体操の時間。それからまた12時まで作業すると昼休みになるんだけど、食堂にテレビがあって。普段何気なく見てる番組だったのに、その時はものすごく面白く感じられて、なんて素晴らしい番組なんだろうって感激したもんだよ」と話す。一緒に働く仲間には、女性の高齢者や、外国人の姿も多く、黙々と働く彼らの姿は、今でも田島さんの心の中に深く刻まれているそうだ。

アルバイトで見た景色が
自分の音楽の根底に

さらに単発仕事の中で一番印象に残っている思い出は、2月の深夜に歩道橋の上で車の台数を数えるアルバイト。風が非常に強い日で、夜10時から朝7時まで橋の上に座り続ける寒さは想像以上で、ものの1〜2時間で足がこわばり、立てなくなってしまったそうだ。「翌朝、解散になって、倒れ込むようにうどん屋に入ったのを覚えてるよ。それがあったかくて、旨くて。うん、旨かったなぁ、あの時のうどん(笑)」。凍えるような寒さの中、抜けるように高い空に星がきれいで、流れ星まで飛んだことも、田島さんの思い出に残っている。
「こういう短期のバイトって、僕にとっては本当に“生きるため”の仕事で、やりがいは何だろうだなんて考えたことはなかったけれど…。でも、あの時に見た景色は確実に心の中に残っているし、こんな風にして歯を食いしばって、ギリギリいっぱいで生きている人たちがいるってことは、僕にとってすごく大きな意味のあることなんだ。彼らへの思いって言うんだろうか。彼らに向けてどんな歌を歌えばいいんだろうっていうのは、僕の曲作りの根底にあるとても大切なものなんだよね」
田島さんの音楽は、ロックやジャズ、ソウルミュージックなど、さまざまな要素が含まれる多彩さが特徴だが、その軸となるのは人の心に寄り添うような「ブルース・フィーリング」だ、と田島さんは言う。そしてそのブルース性の根底にあるのは、単発のアルバイト時代に出会った人たちへの思いでもある、と教えてくれた。
最後に、田島さんからアルキタ世代へのメッセージはこちらだ。
「本当にやりたいことや本業が若いうちに見つかるのは幸せなこと。見つかった人は、どんどん突き進んでいってほしい。見つからないうちはいろいろな種類のアルバイトを経験してみるのがいいよね。これなんじゃないか、あれなんじゃないかって、試しているうちに何か『これ』というものが見つかってくると思うから」

★ORIGINAL LOVE 田島 貴男さんの思い出バイト★

展示会場スタッフ
人生初のアルバイトはこれ。高校時代に友達に誘われ、イベント会場に棚や展示物を並べた。大きな感慨はなく「お小遣いをもらえた」感覚(笑)。
喫茶店
主に皿洗いを担当。洗った皿をどんどん積み上げていくうちに、落として割ってしまうことが時々…。「めちゃくちゃ怒られてました」
車の台数カウント
10人ほどで、山の中の高速道路にかかる歩道橋の上で。強い風の中、真冬に夜通し座っている経験は強烈で「いやぁ、今ではいい思い出だけど」

<プロフィール>
ORIGINAL LOVE(田島 貴男)

1966年東京都出身。1987年からORIGINAL LOVEとして活動し「月の裏で会いましょう」「接吻」「プライマル」など、数々のヒットを生む。幅広い分野のアーティストとのコラボレーションに取り組み、アルバムプロデュース、CM音楽、番組主題歌制作などで活動する。

<インフォメーション>

●リリース情報
ニューアルバム「ラヴァ―マン」
3,240円(税抜) XQKP-1007(WWCD-012)
1.ラヴァーマン 2.ビッグサンキュー 3.サンシャイン日本海 4.今夜はおやすみ 5.フランケンシュタイン 6.クレイジアバウチュ 7.きりきり舞いのジャズ 8.四季と歌 9.99粒の涙 10.希望のバネ
BONUS TRACK ウイスキーが、お好きでしょ/田島貴男(田島貴男 サントリー角ハイボール CMソング)
一般発売、配信開始名盤「風の歌を聴け」のリズム隊である佐野康夫、小松秀行と田島貴男が18年ぶりに再び出会い、“あの”グルーヴが再現された先行シングル「ラヴァ―マン」を筆頭に、これぞオリジナル・ラブ・サウンド!といえるソウルフルなナンバーが多数収録。それに加え前作「エレクトリックセクシー」〜Negiccoのプロデュース/アレンジの流れを感じさせる新たなるポップチューンや、Negiccoへの提供曲「サンシャイン日本海」、ボーナストラックにはサントリー角ハイボールのCMソングでおなじみ「ウイスキーが、お好きでしょ」も収録。

●オフィシャルサイト
http://originallove.com/

バイトがあって今がある

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バイト先の人たちがMVに出演してくれたほど、良い出会いばかりだった。