アルキタは札幌市内・近郊のアルバイト・バイト・パート情報や正社員・契約社員の求人情報を配信中

バイトがあって今がある Chimaさん

2021年3月8日 公開

自分の選択肢や可能性が広がっていくのも、
バイトの魅力だと思う。

シンガーソングライター Chimaさん
北海道を拠点に瑞々しく透き通った歌声と、芯の強い音楽を届け続けているシンガーソングライターのChima(チマ)さん。かつて経験したアルバイトの数々と、当時のエピソードを赤裸々に語ってくれた。

北海道暮らしの契機は、修学旅行の「直感」!

繊細な歌声やプロモーションビデオの美しい映像から思い描くChimaさんのイメージは、アーティスティックな大人の女性。実際に対面した彼女は想像通りの雰囲気を纏いながら、あどけない側面も見え隠れし、一層人を引き込む魅力に満ちていた。
Chimaさんは大阪出身。物心が付いた時から家の中で歌や踊りを楽しんでいたと振り返る。初めて歌で自分の感情を表現したのは幼少期のこと。
「私には一つ年上の姉がいるんですが、子どものころはケンカが絶えなかったんです。ある日、母の前で『姉にこんなことをされた』という告げ口を歌で披露したのが、最初の作詞作曲かもしれません(笑)」
中学や高校では音楽関連の部活に入るのかと思いきや、「生命体に興味があって、図書館で生き物の図説を眺める日々でした」といたずらっぽく笑う。そんな彼女が北海道に魅せられるきっかけは高校2年生の修学旅行だった。
「どこまでも続くような広い空、澄み切った美しい空気、色の濃い自然風景…すべてが衝撃的な一方、どこか知っている光景のような気もしました。思い込みが激しいタイプということもありますが、直感的に『ああ、私はいずれココに住むんだ』という思いが体を駆け抜けたんです」
この言葉通り、Chimaさんは進学先の志望校をすべて北海道の大学に変更。「生命体」が好きなことも相まって、江別市の酪農学園大学獣医学類に進んだ。

生活費を賄ってくれた小さな居酒屋のバイト

Chimaさんは大学生活を始めると、ほどなくバイトをスタート。両親は「10代で多くの苦労を経験したほうが人間として大きくなれる」という考えから、仕送りは最低限だったそうだ。食費や教科書代を稼ぐためにも、先輩から紹介してもらった居酒屋でホール係として働いた。
「マスターとバイトスタッフ1人で切り盛りするような小さなお店です。カウンターに座る常連さんは父より年上の人も多く、自分の知らない社会やドラマの話題から知識が広がるのも楽しみでした。マスターからも冷蔵庫の閉め方や食器が割れない運び方(笑)、周りを見て行動する大切さまで、たくさんのことを教わった職場です。今でも年に1〜2回はお店に遊びに行きます」
Chimaさんは大学5年生(獣医学類は6年制)まで居酒屋でバイトを続けた。その間に同級生とアコースティックユニットを組んで音楽活動を始めたり、ライブで「良いステージをありがとう」といったうれしい言葉を受け取ったり、徐々に歌の世界に心を寄せていった。
「一度、よさこいソーランまつりで演舞用の曲を歌う機会があり、大舞台に立つ経験もさせてもらいました。初めて人が豆粒のように小さく見えるくらい大勢の前で歌を披露した時、『何て気持ちが良いんだろう』と心の底から楽しかったんです」
さらに、ある日、札幌のライブハウスで地元のバンドの演奏を聞いたところ、「透明感があって、少し冷涼で、心地良い音楽性がまるで北海道そのもののようだったんです」と笑う。実は音楽を続けるかどうか迷っていたそうだが、自らも「音で北海道を表現したい」と決意を新たにした瞬間になったという。

バイト先の同僚を思って書いた曲も

大学5年生のころ、インディーズレーベルから声をかけられ、曲作りに乗り出したChimaさん。ところが、当初はギターのコードもおぼつかなかったため、遅々として進めることができず、「私、何をやってるんだろうという状況にはまり込んでしまって」と苦笑する。
「実は2年くらい曲を作ることができず、その間はとにかくギターを練習したり、知り合いのライブハウスで歌わせてもらったり、自分を追い込むように過ごしながら、バイトもメチャクチャ頑張りました。パン工場や映画館、送迎バスの補佐にテレアポにアパレルショップ…中でも、札幌市内のあるカフェは、6年くらい働いた思い出の職場です」
バイト先のカフェは、Chimaさんがデビューするまでの音楽活動を一心に応援してくれた。ライブで急に休まざるを得ない時も快く承諾してくれ、周りの同僚もやさしい言葉をかけてくれたという。
「お客さんがコーヒーを飲む姿を見るのが好きで、その情景からインスピレーションを得たこともありました。何でも相談し合える同僚のために作った曲もあります。リリースした後に本人にだけコッソリ『あなたのことを歌にしたよ』と伝えました」
Chimaさんはさまざまなバイトを経験する中でも、人に恵まれたことが幸運だったと表情を崩す。最後に若い世代に向けたバイトのアドバイスで取材を締めくくってくれた。
「バイト先には自分が触れたことのない音楽やアニメ、ゲームについて教えてくれる人が多く、インプットの幅が広がりました。若いころはコレを仕事にしようと決めても思うようにならなかったり、夢が変わっていったりすることも当然のことです。だから、バイトは『こうなりたい』を決めるまで自分の可能性を広げながら、自分を試す場としてもピッタリだと思います」

Chimaさんの思い出バイト

カフェ
コーヒーや食事を運んだ時、お客さんのおいしくてうれしそうな表情を見るのが大好きでした。
送迎バスの補佐
小学生の送迎バスで、「さあ、ココで降りるよ」「ケンカはやめなさい」と補助する変わった仕事(笑)。

プロフィール

Chima
大阪出身、北海道在住のシンガーソングライター。幼少期をドイツ・アメリカで過ごす。帰国後に訪れた北海道の空に感動し大阪から移住。そこで触れた札幌の音楽シーンに感化され、自らも音楽の道を目指すことに。小さな体にギターを背負い、全国各地を巡ってライブ活動を行っている。近年では、TVアニメやTV・ラジオCM曲の歌唱、他アーティストへの楽曲提供など、活動は多岐にわたる。自身のソロ活動の他、市川和則氏(羊毛とおはな)、岩井俊二氏と「ikire(イキレ)」としても活動中。
オフィシャルサイト:http://www.chima.jp/

インフォメーション

●最新リリース情報
「きみの記憶」

■CUE-90231,100円(税込)
北海道中川町のテーマソングとして現地に滞在しながら楽曲を製作。明るい町民との交流、刻々と天候が変わる空、ゆっくりと散歩した風景からインスピレーションを得て作詞・作曲。とりわけ、中川町の見どころでもあるアンモナイトの化石を目にした時、はるか昔の人々の足跡や記憶が積み重なっていることに気付いて感銘を受けたことが、タイトルや歌詞にも強く反映されている。

バイトがあって今がある

最新記事5件

キュウ 2024年7月22日 公開

「好き」をあきらめないために嫌いな経験も積んでおこう!

I Don't Like Mondays. 2024年6月24日 公開

バイトが音楽と自分たちをつなげてくれた。

PSYCHIC FEVER from EXILE TRIBE 2024年6月17日 公開

バイトがくれたのは、初めてのことに挑戦する勇気。

YUTORI-SEDAI 金原遼希(きんぱら はるき)さん 2024年6月3日 公開

汗だくになって重い物を運び、筋肉痛に苦しんだことだって、いい思い出。

GLASGOW 2024年5月27日 公開

バイトは社会人デビュー前のリハーサル!