給与にかかる税金や保険料を紹介しましたが、「その税金をどうやって収めるの?」と疑問に思った人がいるかも知れません。その答えとなるのが「源泉徴収」という仕組みです。
源泉徴収とは、年間の所得にかかる税金や保険料を、会社が従業員の給料からあらかじめ天引きし、本人に代わって税務署に納めること。フリーランスや事業主以外では、この方法で税金を収めるのが一般的です。
【働く人にメリットが大きい源泉徴収】
本来税金は収入を得た人が直接税務署に支払うのが原則ですが、そのために確定申告をするのは大変ですし、納付を忘れてしまう可能性もあります。
源泉徴収によって毎月の給与から分割で納付でき、ほとんど手間がかかりません。
働いている人にはメリットの多い納税方法となっています。
【ココだけ押さえよう!源泉徴収票の読み方】
企業から発行される源泉徴収票はその年の所得を証明する書類です。源泉徴収票を発行するには1年間の所得を正しく計算する必要があり、そのための作業を「年末調整」と言います。
源泉徴収では毎月の給与や賞与支給額に応じて、一旦、仮の税金額を天引きするため、実際の課税額とは異なる場合がほとんどです。「年末調整」では、それらを正しく計算して、天引きし過ぎている税金があれば還付(不足があれば徴収)します。
1カ所からしか給与を受け取っていない人など、大抵の場合、源泉徴収票を受け取っても、特に手続きは必要ありません。ですが住宅ローンを借り入れたり、アパートの賃貸契約を結ぶ時などに収入を証明するものとして提示を求められることがあります。また確定申告をする時にも源泉徴収票が必要となります。
源泉徴収票をもらったらチェックしておきたいのが次の4つの数字です。
◎支払金額
◎給与所得控除後の金額
◎所得控除の額の合計額
◎源泉徴収税額
順に解説していきましょう。
「支払い金額」
その年の1月から12月までに会社から支払われた給与(賞与やインセンティブなどを含めたもの)の総額です。
「給与所得控除後の金額」
「支払金額」から給与所得控除額を差し引いた金額です。
「所得控除の額の合計額」
給与所得控除以外に「支払金額」から差し引かれる控除額の合計です。基礎控除や扶養控除、社会保険料控除の合計となります。
「源泉徴収税額」
年末調整によって確定した1年間に払う「所得税」の金額です。1年間の給与が103万円以下の人は先ほど説明したように非課税となり、源泉徴収額はゼロとなります。
<参照>
⇒
源泉徴収のあらまし(国税庁)