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バイトがあって今がある シンガーソングライター 桜庭 和さん

2015年12月7日 公開

何も言わなくても、
認めてくれてたんだって。
うれしかったですね。

シンガーソングライター 桜庭 和さん
撮影協力/和三梵(札幌市中央区南1条西7丁目11-1 後藤会館1階)
テレビCMでもお馴染みのすっと心に染み込んでくるような歌声や、ラジオDJでの温かなコメントなどで幅広い年代に多くのファンを持つ桜庭和さん。活動の幅を広げながらも地元・北海道を大切に歩み続け、デビュー10周年を迎えた今年は札幌市教育文化会館での1100人ライブに挑む。

職人気質の親方にも
心を開いてアタック

来る13日に札幌市教育文化会館でのライブ『夢バカ』を控える桜庭さん。インタビューではまずこの印象的なライブタイトルの由来を聞いてみた。
「デビュー翌年の2006年、取り壊しが決まった旧・札幌市民ホールで初めてのライブをしたんです。定員1600名。当時の僕にそれだけの方に来ていただく力はなかったんですが、ホールが壊される前にどうしてもあのステージに立ちたくて。人に会う度に来場のお願いをしていたら、どんどん人とのつながりが出来て、そのうちにファンの人たちが狸小路でフライヤーを配り始めたんです。それを聞いてびっくりして僕も駆けつけて…。結果は観客600名。客席は埋まらなかったけれど、とても大切な体験でした。ファンの皆さんに育てていただいて、あれから10年。今回もまた途方もなく大きな目標にトライしてみようと思い、『夢バカ』と名付けたんです」
そんな桜庭さんの初めてのアルバイトは、専門学校時代のお寿司屋さん。新札幌付近を中心にストリートライブを行っていたころに、ファンの一人から紹介されたそうだ。高校まで野球部に所属し大きな声を出すことには慣れていたため「いらっしゃいませ!」の声の大きさには自信があったと言う。お茶の出し方や醤油の置き方といった作法、シャリやガリなどの用語もそこで教わったんですよ、と桜庭さんはニッコリ。「家族や学校で出会う以外の大人から何かを教わるのは初めてで、緊張しましたが良い体験でした」
店の主人は昔ながらの職人気質で、口数の少ない厳しい人だったが「まかないをいただいている時に、音楽の話や将来の夢の話をネタにどんどん話しかけるようにして、何とか打ち解けようと頑張りました」。その結果、アルバイトを辞める日には「今までお疲れ様。これから寂しくなるな」と声を掛けてもらえ、桜庭さんも「何も言わなくても、ちゃんと自分を認めてくれていたんだ」と心温まる思いをしたそうだ。

多くの出会いがあった
2つ目のアルバイト

専門学校の卒業が迫り、友人たちが就職活動に本腰を入れ始めたころ、桜庭さんは「専門学校で勉強した以上、専門である臨床工学技士の国家資格は取得する。けれど就職はせず音楽の道に生きる」ことを決意。家族会議で両親を説得して何とか夢を認めてもらい、音楽活動の資金作りのためにコールセンターでテレホンアポインターのアルバイトをスタートした。担当していたのは電話会社のサービスを案内する仕事。
「これがまた楽しくて! 僕は週3回の出勤だったんですが、それでも営業所で2位の成績をキープしてたんです。コツは何か? そうですね、『コシは低くオシは強く』ですかね。音楽を続ける上で重要なことをこのバイトで教わったんです(笑)」
目に見えない相手に対して、どうすれば心が伝わるかを一生懸命に考えて話すこと、頑張ればそれが結果として実ること。桜庭さんはこのアルバイトで大切なことを学んだと振り返る。
さらに「テレアポって、時給が良いせいか、夢を追う人が多いんですよ。劇団をやってる人やギタリスト、これから起業しようとしている人など、年も環境もバラバラな人がいて休憩時間の度にいろんな話をして、本当に楽しかったんです」と噛みしめるように言葉をつないだ。「いずれ介護職に就きたい」と話していたコールセンターの元同僚とは今もつながりがあり「その後、彼女は夢を叶えて介護職で活躍しています。僕も音楽で生きる夢が叶って、お互いに夢が叶ったねって喜び合って。その人の施設を訪問して、歌わせてもらったりしているんですよ」。それだけではない。桜庭さんのデビュー後しばらくの間、インストアライブなどでギター演奏をしてくれたのも、ここで知り合ったギター好きの同僚だったそうだ。
仕事の中で大変だったことを尋ねると「何だろう? あったかな?仕事は楽しんでするタイプなので。うーん、お昼になるとコールセンターにお弁当屋さんが来るんだけど、いつも女の子に好きなお弁当を先に取られちゃうんです。大変だったことはそれくらいかなぁ」という返事が返ってきた。

どんな夢も生き方も
すべてが「いいね!」

ところで桜庭さんのオフィシャルウェブサイトのタイトルは『和の輪』。そのタイトル通り、小学生との楽曲制作に取り組んだり、生まれ故郷である美深町初代観光大使として活動するなど、音楽を超えた人と人とのつながりを大切にするのが桜庭さんの大きな魅力でもある。幅広い年代のファンに愛され、人の心にすーっと寄り添うこの温かさはどこから来るのだろうか。そう尋ねると、桜庭さんは「えーっ。背がちっちゃいから、上から目線で人を見ないんでしょうかね」と照れ笑い。しばらく考えた後で答えてくれた。
「人を肯定するのが好きです。『でもそれって』とか『ダメじゃん』とは言わないんです。まず『いいね!』って受け入れて…。反対しないし、跳ね返さない。もちろん明らかに悪いことや人に迷惑をかけることなら猛反対しますけど(笑)。どれもその人の人生だから、どんな夢も選択もみんな素敵だなって思うんですよ」

★桜庭 和さんの思い出バイト★

お寿司屋さんの店員
かっぽう着を着て主に接客を担当。お給料は現金手渡しで、初給料では友達を誘ってカラオケに!
「宴会場に花を飾る仕事をした時にクシャミが止まらなくなり、自分が花粉アレルギーだってことに初めて気付きました」
コールセンター
週3回の勤務ながらも好成績をキープ。「時給とインセンティブを組み合わせた給与体系だったので、頑張れば頑張っただけ結果に反映されるのがうれしかったですね。お勤めと自営、両方の気持ちを味わえたように思います」

<プロフィール>
桜庭 和

美深町生まれ、江別市育ち。2005年「あなたに見せたくて」でデビュー以来、数多くのTV-CMソングを提供・歌唱。シンガーソングライターとして小学生との楽曲制作の授業や映画の挿入歌、劇団・舞台、イベントへの楽曲提供も手がける。ラジオFMノースウェーブ「桜庭 和のMorning Set」(土曜10:00〜)ではDJを担当。美深町初代観光大使。

<インフォメーション>

●リリース情報
10th Anniversary Album「夢バカ」
hs-012/3,000円(税抜)
TV-CMタイアップソングなどを含む全15曲を収録。
今までの桜庭和とこれからの桜庭和が詰まった、新たな魅力あふれる10周年の自信作。
●コンサート情報
桜庭 和 冬のホールコンサート
10th Anniversary Special Live 2015「夢バカ」

12/13(日)札幌市教育文化会館大ホール
チケット(全席指定)/3,500円(ローソン全店ほかで取り扱い)

デビュー10周年の集大成ライブとして、これまでつながって来た皆さまとのご縁に恩返しをしながら、新たなステップに向け1100名という『夢バカ』なライブに挑戦!
●オフィシャルサイト
http://www.wa-nowa.net/top.cgi

バイトがあって今がある

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