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バイトがあって今がある FUNKIST Vo. 染谷 西郷さん

2017年9月25日 公開

自ら踏み出した歩数で
未来が切り拓けるんだと思います。

FUNKIST Vo. 染谷 西郷さん
日本国内はもちろん、南アフリカ、アジア、欧米と年間100本を超えるライブで世界中を駆け回る「FUNKIST(ファンキスト)」。ボーカルの染谷西郷さんにバイト体験を聞きました。

両親を改めて尊敬した
初めてのアルバイト

日本人でフラメンコギタリストの父と、南アフリカ人でバレエダンサーの母を持つ染谷西郷さん。最初に質問したのは「お名前は本名ですか?」。すると染谷さんは「本名ですよ。日本の西にある、母の故郷を忘れないようにという意味なんです。でも西郷隆盛の西郷だと思う人が多くて、九州に行くととても親切にしてもらえます」と、ニコニコしながら答えてくれた。全国各地、もちろん北海道も数えきれないくらい何度も訪れていて一番好きなご当地グルメはラーサラだとか。
ハーフであることで、子どものころから常に〝居場所のなさ〟を感じていたという染谷さん。音楽を始めたのは高校生の時で、ザ・ブルーハーツの「青空」を聞き、生まれた場所や皮膚、目の色でいったい僕の何が分かるんだ、という内容の歌詞に触れたのがきっかけだった。
「でも、最初は誰にも内緒で一人で隠れてギターを弾いていたんですよ。両親がアーティストということで、小さいころから『君も才能があるんだろうね』と言われてきて、そこで僕が下手なギターを弾いてしまったら、親の顔に泥を塗るのではないかと思って。両親が日々どれほど努力しているか、どれほど努力しなければやっていけない世界かは、ずっと見てきたので」
染谷さんが最初にアルバイトをしたのは高校時代、友達に誘われたハンバーガーショップで。いつも楽しそうに仕事をしていた両親を見て育った染谷さんは、漠然と「働くって楽しいことなんだろうな」というイメージを持っていたそう。けれど、ポテトやナゲットを6時間揚げ続けた経験で「働いてお金をもらうってこんなに大変なことだったんだ」とハッとして、改めて両親に対して尊敬の思いを抱いたと話す。

温かい雰囲気の職場に
親元を離れた不安が和らぐ

高校卒業後、プロアーティストを目指して歩み始めた染谷さんは、家を出て友人とルームシェア。「当時の僕は、時間もお金もすべて音楽にかけて、いつもお腹を空かせていて…」と懐かしそうだ。アルバイトをしていたスーパーは家族経営の温かい雰囲気で、お弁当を作ってくれたり惣菜を分けてくれたりと、親元を離れた不安も和らげてくれたと振り返る。お釣りの5千円札と1万円札を間違えてお客さんに渡して売上金が合わなくなった時には「そういうこともあるよね」と言ってもらえたが「5千円の売り上げを出す大変さを知っているからこそ、申し訳なくて…」。お金を扱う責任の重さを改めて感じたそうだ。
掛け持ちして働いた引っ越し屋では、春の繁忙期には1日に4件もの作業があり、とにかく忙しくて大変だったそう。それでも「僕らバイトより、ドライバーや勤める社員さんはもっと大変ですよ。バイトは移動中に寝ることも出来たけれど…」と、染谷さんは常に自分よりまず周囲の人を気遣う。
19歳で家を出て29歳でメジャーデビューを果たした染谷さんの、最後のアルバイトは寿司屋の配達。一人で過ごす移動時間が長い分、曲を考えたりライブの演出を考えたりすることが出来て〝夢への近道になったアルバイト〟だったとか。
「その後、音楽が忙しくなって辞めてしまったんですが、その時もまだ不安はありました。誰もが成功する世界じゃないことはよく分かっていたので」

「バイトがある国」だから
広がる可能性もある!

それでも、もしも上手くいかなくても、アルバイトをしていたあの地点に戻ればやり直せるという自信を持てたことはとてもありがたかった、と、染谷さんは言葉を続ける。母親の祖国・南アフリカでは失業率が9割以上。アルバイトであっても仕事が見つかるというだけで非常に幸運で、日本のように「アルバイトをしながら夢を追う」ことは考えられないそうだ。
「日本という『バイトのある国』に生まれて本当に幸せだったと思います。失敗したってそこで得た経験値はなくならないし、どこからでもやり直せるじゃないですか」
さらにアルバイト時代を振り返って、染谷さんはこんなことを話した。「僕、見た目が人と違うもので、なかなかアルバイトが出来なかった時期があるんです。うちは外国人は使わないよと言われて必死で僕は日本国籍ですって説明したり、何回も何回も面接に落ち続けているうちに、自分は社会に必要とされてないんじゃないかというような気持ちになってしまって…。でも回数を重ねれば、必ず働ける場所、必要とされる場所に出合えてきました。旅を重ねて行くうちに仲間も増えて。人は、踏み出した歩数で未来が切り拓けるんだと思っています」
最新アルバム「BORDERLESS」のタイトルそのままに、国境を越えて世界中を駆け回る染谷さん。言葉が通じなくても、生きる環境が違っても、たった1曲の音楽によって「BORDER(境界)」を越えて一つになり一緒に踊り出すことも出来ると、丁寧で穏やかな口調で話す。
「学校で友達の輪に入れなかったり、好きな人に告白出来なかったり、人と人との間にはさまざまなBORDERがあるけれど、それを越えていくことで、世界は一つになれるんじゃないかな。そのための応援歌を、僕はこれからも送り続けたいと思います」とインタビューを締めくくった。

★染谷 西郷さんの思い出バイト★

スーパーのレジ担当
稲垣潤一さんが大好きな常連客さんがいて、店内BGMで流れるようによく公衆電話からリクエストし、楽しそうに待っていたのを思い出します。
引っ越し作業員
次第に筋肉が付いて、冷蔵庫や洗濯機も一人で持てるように。「腰を痛めずに重い物を持つコツ」は今もライブの機材運搬に役立ってます。
お寿司の配達
おじいちゃん宅に配達に行ったら、僕の顔を見た瞬間に「おばあちゃん、何でピザ頼んじゃったの!?」と言われた経験が。いいえ寿司屋です…。

<プロフィール>
FUNKIST

染谷西郷(Vo.)、宮田泰治(G.)によって2000年に原型を結成、現在はnaoto.grandcabin(B.)を加えた3人によるライブバンド。47全都道府県でのライブを達成し、日本国内はもちろん、南アフリカ、アジア、ヨーロッパ、アメリカなど海外も含む年間100本を超えるライブで世界を駆け回る。南アフリカ仕込みのビートフルな音楽に、染み入るリリックとメロディーが混ざり合って生まれる楽曲は、ジャンルの壁を超えた“オリジナルFUNKISTスタイル”。
公式サイト

<インフォメーション>

●リリース情報
「BORDERLESS」
■EMMC-20 2,500円(税抜)
●ライブ情報
FUNKIST tour 2017
「BORDERLESS」in札幌

10/5(木)札幌COLONY
開場/18:00 開演/18:30
チケット/前売り 3,200円 当日 3,700円
お問い合わせ/COLONY
TEL 011-532-3329

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バイトがあって今がある

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