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バイトがあって今がある キーボーディスト ADAM atさん

2019年8月19日 公開

バイトで修理したピアノが、
恩返ししてくれたのかも。

キーボーディスト ADAM atさん
「踊れるインストゥルメンタル(歌のない楽曲)」で、日本はもちろん海外にも名を馳せる、「ADAM at(アダムアット)」。
キーボーディストになるまでの道のりと、アルバイトの経験を語ってもらった。

冬休みにガッツリ働き、シンセサイザーをゲット!

ADAM atさんは静岡県浜松市出身。あのヤマハの本拠地であり、「音楽のまち」としても知られている。やはり小さなころから音楽が身近だったのだろうか。
「父が趣味でドラムを叩いていたこともあって、確かに音楽は身近でした。5歳のころからピアノ教室に通い始めたのですが、当時は稽古がイヤでイヤで…よく脱走していました(笑)」
ところが、小学校5年生の時に転機を迎えた。父が買ってきてくれたビートルズのCDを聞き、心を激しく揺さぶられたという。ADAM atさんは居ても立ってもいられず、彼らの楽曲をピアノで弾いた。気に入った音楽を自ら奏でるという経験が、ピアノを好きにさせてくれたのだ。
「中学校2年生のころ、音楽の先生から夏休み中に二人以上で演奏の練習をして新学期に発表するという課題を出されました。僕がピアノと作曲を担当した上で、クラスの友人にギターやベース、ドラム、パーカッションなどをやってもらったのが最初のインストゥルメンタルバンドの経験です」
ADAM atさんは地元の高校に進学。シンセサイザーが欲しかったことから、冬休み期間中に工場でクリスマスケーキを作る短期バイトを始めた。
「自分にとっては初めてのバイトでしたが、スポンジにクリームを塗ったり、いちごを乗っけたりする作業は意外と楽しかったですね。狙っていたシンセサイザーは7万5千円くらい。高校生には致死量の額ですから(笑)、冬休み中にガッツリとバイトをしてようやく手に入れました」

ピアノ修理のバイトに、二度アタック!

ADAM atさんはいつか音楽で食べていくことを夢見ながら、高校時代にコンサートスタッフのバイトをスタート。華やかな舞台の作り方を知り、裏方の仕事がステージを成り立たせていることを肌で感じた。
「コンサートスタッフの仕事が面白くて、高校卒業後も長く続けました。ただ、今振り返ってみると、音楽で生きていきたいと思いつつも、どこかでチャレンジを怖がっていたのかも。ダメだった時のことを考えて、『少しでも音楽に関係する仕事をしている』と、自分を納得させていたような気もします」
 
コンサートスタッフのバイトを続けるうちに、ADAM atさんは顔見知りのイベンターに誘われてイベント会社に入社。プロモーションやライブイベントの制作スキルを積み上げ、ついには独立してフリーランスのイベンターとして活動するようになった。
「地元の浜松市はクルマ社会。ライブイベントが18時半から始まるとすると、会社員の方は渋滞に巻き込まれたら最初のほうに間に合わないんです。だから、時間調整のために僕自身がオープニングアクトを務めようと思いました。自分はピアノを弾く一方、メンバーは固定せず、全員がサポートのセッションバンドとしてインストゥルメンタルの楽曲を披露したのが現在の原点なんです」
ひょんなきっかけから音楽活動をスタートさせたADAM atさん。一方でイベントの企画・制作とセッションバンドの両立には費用がかかるため、ピアノ修理のバイトを始めた。
「実は求人情報を見て電話をかけた時にはすでに別な人が決まっていたんです。でも、あきらめ切れずにもう一度アタックしたところ、今度は社長さんが電話に出てくれました。ピアノが好きだと熱意を伝えたら、『だったら働いてみる?』と採用してくれたんです」

ADAM at流のバイトの選び方!

ADAM atさんは徐々に音楽活動の幅を広げ、イベンターの仕事を通して浜松市や東京のCDを流通させる会社とも親交を深めていった。2014年にはCDを自主制作。サンプル盤を携えて名古屋でライブを開いたところ、ビクターエンタテインメントのスタッフから、「CDをくれない?」と名刺を渡されたという。
「1年後にはありがたいことにデビューに至ったんです。当時はイベントや音楽活動がない日はバイトで一日中ピアノと向き合い、汚れたところをピカピカに磨き上げたり、調律をしたりしていました。もしかすると、デビューができたのは僕が直したピアノの恩返しかもって思うんですよね」
決して順風満帆ではなかったが、音楽を仕事にするという夢を叶えたADAM atさん。そんな彼にバイト選びにまつわるアドバイスをお願いしたところ、ユニークな持論を展開してくれた。「仕事は①お金②自分の時間③やりがいのうち二つを重視するのが良いと考えています。例えば、ピアノ修理のバイトでいうと、僕は『②自分の時間=家に帰ってからピアノを弾ける余裕』『③やりがい=ピアノに携わること』をチョイスしました。仮に①お金と②自分の時間を重視したら、仕事内容には目をつぶってバイトを選んだはず。こんなふうに目的に合わせて二つに絞ってみるとバイト選びもしやすいんじゃないでしょうか」
なるほど。最後に音楽面のアピールで取材を締めくくってもらった。
「インストゥルメンタルの音楽はまだまだ馴染みが薄いと思います。だけど、興味を持って好きになってくれると本当にうれしいです。だから、インストゥルメンタルのライブの楽しみ方を『おはし』で覚えてください。お=踊る、は=はしゃぐ、し=知らない人に押し付ける(笑)。ぜひ、僕の音楽を聞いて、周りの人に押し付けてください!」

ADAM atさんの思い出バイト

コンサートスタッフ
設営や撤去の作業は体力的に厳しかったけれど、裏方の作業も好きだから苦にはならなかったです。
ピアノ修理
古かったり、壊れたりしているピアノを修理して出荷する仕事。休憩時間にはピアノを弾いていました。

プロフィール

ADAM at
2011年に浜松市のライブハウスでセッションバンドとして活動を開始。ボサノヴァ、ジャズ、テクノ、スカなどの要素を取り込み、ひたすら踊れるバンドとして話題となり、全国のライブハウスからのオファーが殺到。2015年1月には、ビクターエンタテインメントよりメジャーデビュー。数多くの国内外のフェスティヴァルにも出演する他、テレビ、ラジオのCM音楽やテーマ曲を多数手掛ける。
オフィシャルサイト:http://adamat.info/

インフォメーション

●最新リリース情報
「トワイライトシンドローム

■VICL-65211 2,700円(税込)
●ライブ情報
トワイライトシンドロームツアー2019

10/27(日) 札幌BESSIE HALL
開場/16:30 開演/17:00
チケット/前売3,800円(税込)ドリンク代別
お問い合わせ/SMASH EAST
TEL 011-261-5569

バイトがあって今がある

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